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月 下 独 酌


   
 19年1月25日
 新しい年を迎えていますが、政治の世界(国会)では昨年から大きな問題が出ています。「統計不正」事件ですね。統計不正は単に数字が違うということではなく、社会構造全般にかかわる問題ですから、もっと問題の本質をつまびらかにする必要がありますね。

 問題とは、厚生労働省の「毎月勤労統計」で明らかな不正調査があったことです。報道されているところによると、本来毎月勤労統計調査は従業員500人以上の事業所については全てを調査対象とするものです。賃金や労働時間の実勢を把握して、その結果が雇用保険や労災保険の給付額の算定基準となるためです。ところが、東京都分で2004年から15年間にわたり調査対象となる約1400のうち、3分の1しか調べず、また賃金の高い大企業を除外し中小企業を調査対象としたため、統計では賃金が実際より低く算定され、雇用保険と労災保険の過少給付が生じている、ということです。

 さらに内部で分かったその実態をあきらかにせずこっそりと修正しようとしたことや、問題発覚後の「第三調査」でも、報告書でヒアリングを行った人数を「延べ69人」と記されているのが実際には「37人」であったこと、この第三者委員会の報告書そのものも厚生労働省の職員がたたき台を作ったということ、などなど、次から次へと問題が発覚しています。

 深刻なのは問題がこの厚生労働省の調査だけではないことです。総務省の記者会見では、政府が重要と位置付ける56の基幹統計の内22の統計で問題が見つかったことです。単純なミスや集計の一部が行われていない、手続きの不備などの問題などですが、このうち21の統計で統計法違反の疑いがあるとのことです。

 唖然としますね。単に仕事上のミスということではなく、社会の方向性を決める基礎ともいうべき統計をいわば組織的に隠蔽していた事になりますから、これは確信犯といってもいでしょうね。結果的に雇用保険や労災保険などで給付額が少なくなっている人に追加支給することになります。また2018年1月から補正をし始めた結果、賃金の伸び率が本来より高く算出されています。賃金が高くなっているのは安倍政権の成果だといわれも、誤った統計からだされたものですから信頼できません。

 いずれにしてもこの社会をどう捉えどのようにしていくか、ということの真摯な発想がどこか欠けているとしかいいようがありません。今年は4月に統一自治体選挙があり、夏には参議院議員選挙があります。このままでいいのか、ということを住民の側からも考えるいい機会です。しっかりと物事の流れを見ていきましょう。

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