広西の旅・その11 09.7.27
♪桂林市内へ♪
三江を朝9:30に出発し、直行バスで桂林に到着したのは12:40。六時間って聞いていたのに三時間強で着いちゃったよ。しかも来た時のバスと違って車内は清潔でシートも広く、日本の観光バスより快適なんじゃないかと思うくらい。
ビデオまで放映してくれていて(ちなみにトニー・レオン主演の「韓城攻略」〜♪)、通路をはさんだ隣の若い男の子が、口をぽかんと開けたまま目を輝かせ食い入るように見ていました。ビデオよりそっちを見ている方が面白いよ・・みっともないから口閉じなさいね(笑)。
桂林に着いたはいいけど、一体ここはどこなんだろう。行きは龍勝から出発したし、それまではずっと植物園の皆さんと行動していたので、桂林の街を歩くのは初めて。
乗っていたバスの運ちゃんに地図を見せ「ここって地図のどこ?」と質問すると、見もせずに「オレだって知らんよ」と素っ気ない返事。教えてくれたっていいだろケチ!! やはり都会の人は冷たいなあ。
大きめの売店があったので、ヒマそうにしている店員達にお土産を買いがてら訊いてみると、ああだこうだと皆で相談しながらバスの乗り場やら色々教えてくれました。有難うおばちゃん達!
♪桂林のバス♪
時間もあるしせっかくだから街ぶらしようと、中心地に行くバスに乗車。空いていたのでゆったり座っていると、火のついた煙草を手に持ったまま乗ってくるおじさんがいました。
何人かの乗客から痛い視線を浴びているのに、おじさんはどこ吹く風で吸い続けます。と、私のお向かいに座っていた妊婦さんがひと言、「車内は禁煙でしょ。すぐにその煙草を捨てなさい」。
無視するおじさん。しかし続けて運転席からも「吸うんだったら今すぐ降りろ!」とキツい口調。おじさんと運ちゃん(運転中・・)はしばらく言い合っていま
したが、おじさんしぶしぶ諦めて煙草を窓からポイ(こらこらッ)。いたたまれなくなったのか、次で降りて行きました。あ〜スカッとした。
昼ご飯に米粉を食べ、ココナッツミルクティーをがぶ飲み、焼き栗をほおばりながら(食べてばっか・・)歩行街をぶらぶら。でもそろそろ植物園に戻って皆さんと合流しなくちゃ。
バスに乗ろうとして、バス代の1.2元のうち端数の2角が財布に無いことに気が付きました。中国のワンマンバスはおつりが出ないので、2元払ってしまうか、次に乗る人から自力でおつりを徴収するか、どちらかしかありません。
ところが桂林の運ちゃんはあっさり、「ああ、んじゃ次に乗った時に余計に払っておいてね」と端数は勘弁してくれました。優しい〜。でも翌朝に帰国する旅行者の私、次の機会はないのだ。ごめんなさい。
♪旅の終わり♪
さてその後は無事に植物園の皆さんとも合流し、夕食までの時間に広い広い植物園を案内してもらいました。聞けば雲南の周さんとアメリカのデヴィッドさんは
漓江下り観光に行ってたそうで、そういえば今回は桂林という有名な観光地に居たというのに、それらしい所に行ってないなあ・・。
移動中のバスの中からも桂林らしい奇岩は見えていたので、それで満足してしまって一枚もカメラに収めなかった自分に後悔。せめても、と空港の待合室から雨で曇ったガラス越しに写してみました。
いちおう桂林らしい風景・・?
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♪空港での攻防戦♪
毎度のことながら空港での待ち時間というのは退屈なもの。それでも地方空港だと特産品などが売っていて、冷やかしでも見ているだけで楽しいものです。
桂花陳酒というのは日本でもポピュラーですよね。空港の店にも置いてあったので、安くて小さいのをひと瓶、買ってみました。「ここで買っても北京の空港で 没収されちゃうんじゃない?」とSさん。うーん、でも来た時は北京での乗換えの際に預け荷物を一旦受け取ったので、帰りも同じならばその時に荷物の中に入 れてしまえるはず。
・・・しかしSさんの予感は的中。ここは中国、その時その時でやり方が変わるのだった。結局預け荷物は私達の手に渡ることなく日本に送られてしまい、桂花陳酒は手荷物の中に。当然液体持込みはダメなのでチェックが入ります。
わかっちゃいるけど、一応経過を説明してみる。素直に没収に応じない私に、係員は「こちらへ」と別コーナーに。まあ待ち時間ならいっぱいあるもんね。ちょうど退屈しのぎにいいや、と思いきり文句を並べてみました。
最初の女性係員は「規定だから」とお決まりの言葉を繰り返すだけ。「規定規定っていうけれど、規定があるんなら毎回やり方が違うのはどういうわけだ。その 度にこちらは振り回されるんだ。国際空港だってのに統一マニュアルさえないのか?」とやり返すうち、だんだん口調がけわしくなる係員。負けずに大声で切り 返す私。
あわてて別の係員がやってきて交代。今度の女性係員は若いのに位も上らしく、言葉もとても丁寧です。怒り狂っている(フリをしてるだけなんだけどね〜)私
をなだめすかし、「確かにあなたのいう事はもっともだ。今回は航空会社のやり方に問題があるので我々にはどうしようもないが(ホントかね)、国際空港とし
てサービスの向上には努めるべきだ」
「だいたい係員の態度が悪いんだよね。まるでこっちが罪人みたいな扱いだ」となおも言ってやると、「我々も教育を進めているが、習慣上ゆきとどかない点もある。注意しておくので、今回はどうぞお許し願いたい」
おお、まるでお客様第一のような接客態度!! 中国で一個人に対してこんな言葉を発するとは!「液体類に関しては規定で持ち込めないので、ここで没収することになる。他の物ならここに預ける手続きをす れば帰りに受け取れるが、酒類はできない」のだそう。中国も随分進歩したものです。北京空港だけかもしれないけど。
係員に連れられたおじいさんがカウンターにやってきました。見ると手には洋酒レミーマルタンが。係員の説明に、私のように抵抗することなく素直に没収に応じています。高価なものなのに、聞き分け良すぎ・・。
私の方は黙って引き下がるのも悔しいので「じゃあここで飲んでいくけど、いい?」と、栓を開けると「それでもいいですよ」と許可がおりました。だって勿体ないし、係員に飲まれるかもしれないと思うともっと悔しいし。
とはいえ、私はお酒を飲まない人。このお酒もお土産用だったんだけどな〜。安い桂花陳酒なので、たぶん混ぜ物が多いのでしょう、甘くて私には飲みやすい。 ちびちびやっている間も、さっきの係員がそばについていて時々話しかけてきます。ここぞとばかりに中国に対する不満をぶちまける私に、始終笑みを浮かべて 応対する係員。
以前の中国なら考えられないこの態度。サービス向上を体現しているこの女性係員のプロ意識に、変わりつつある中国を感じました。
根性でお酒を飲みつくし待合室に行くと、「えらい遅かったけどモメてたの?」と兄。事情を説明すると「言ってくれたら僕がお酒飲んだのに〜」と酒飲みならではの一言。・・・そーですか〜。
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