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モモの音楽日記モモの諸活動

 
 第6回中国音楽フェスティバル 19.4.22
 


 二年に一度の中国音楽の見本市(…と私は位置づけています)、中国音楽フェスティバル。第6回の今回は4月13日土曜日に、四天王寺のクレオ大阪中央にて開催され、弾撥楽器グループと二胡グループの二組で参加してまいりました。



百花弾撥楽団

 弾撥グループは百花(ももはな)弾撥楽団として、今回は柳琴×3人、中阮×2人、そして私が大阮を担当しました。

 演奏曲は、広東音楽で有名な『歩歩高』、坂本九さんの歌で有名な『上を向いて歩こう』、そしてアルジェリアでは『コム・タラー』として知られる楽曲『ダムダム』の三曲。

 弾撥グループでは毎回、面板を叩いたり足踏みをしたりと何かしら特殊効果を入れるようにしています。『上を向いて歩こう』では口笛と指パッチンを取り入れてみました。


口笛と指パッチン

 いつもフェスの為に1年くらい前から準備を始めるのですが、合奏練習をスタートした時に口笛を吹ける、また指パッチンできるのが、メンバーのうち半分しかいないという事実が判明。

 なあに、1年も練習すれば出来るようになるさ!! …と期待したけれど甘かったようで。本人たちも頑張って練習してくれたのですが、予想通り本番は見事にスベりました(笑)。

 それでも客席の皆さんが叩いて下さった手拍子に救われました。今年のお客さん、優しいなあ~


長弓の会

 名張の二胡サークル、長弓の会。演奏だけでなく、前回はアイリッシュダンスを踊るなど新しいパフォーマンスの形を模索しております(大袈裟だな~)。同じような二胡グループが並ぶなか、やはり何とかしてアピールしたい!!ということで。

 今回の演奏曲は、中国少数民族・彝族の『快楽的啰嗦』、『スケーターズワルツ』、そして『賽馬』の三曲。

 今回の目玉は『スケーターズワルツ』。ピアノの初級者が演奏することも多く、たぶん一度はテーマを耳にしたことがある2、3分の短い曲、という認識だと思います。でも7分以上のオーケストラ版を聞いたことがある人は、それほど多くないはず。

 とても美しいフレーズが集められたこの曲を、二胡で簡単に弾けるように4分ちょっとに編曲しました。そしてスケートといえばあの名曲、あの名ポーズ!!

 『スケーターズワルツ』の途中から立ち上がり、立奏しながらダンス。そこから『誰も寝てはならぬ』につなげ、最後にはイナバウアーを!!その瞬間の、客席からの大きなどよめきは忘れられません~♪


見よ、イナバウアー!!

 今回は中阮も立奏できるよう、立奏用のホルダーを手作りしました。ネット検索すると中国などで買えなくは無いのですが、金具の幅など規格が詳しく載っておらず、しかも結構なお値段。

 そこで百均のドリンクホルダーをガスコンロで熱し、ペンチで少しずつ曲げるという、何とも地道な作業を積み重ね(笑)。バーナーとか万力とか持っていないので時間がかかりましたよ…


ドリンクホルダー

立奏ホルダー ・ビフォー&アフター

 フェスティバルでは毎回、様々なグループが参加されており、その舞台を見るのも楽しみのひとつ。今回は台湾の団体も加わり、その演奏テクニックのレベルの高さには目を見張ります。中国大陸とはまた違った形態と感覚に、面白いなあと感じました。

 ただ、中国大陸においても思うことですが、(ちゃんと書かれた楽譜以外の)編曲レベルがあまりにお粗末なのが残念。ずっと同じコードって本人たち何とも思わないのだろうか…。そういう点においては、伴奏者がある程度の知識を持ち合わせている日本の方が、曲が整って聞こえるなと思いました。

そ れにしても海外をふくめ沢山の団体を受け入れ、様々な形態の舞台を進行させていくスタッフの皆さん、本当に大変だと思います。お疲れさまでした&有難うございました!!

 舞台が終わった後、長弓の会のメンバーで記念撮影。イナバウアーの角度、けっこう揃ってるでしょ♪これは息が合っているからと言いたいところですが、年齢的にこれ以上の角度が無理なだけかも(笑)


集合写真もイナバウアー♪

 
 リーガロイヤルコンサート 19.2.20
 
 最近は日本に来る外国人も多くなり、私が住んでいる奈良も(京都や大阪ほどではありませんが)旅行者をたくさんお見かけするようになりました。特にここしばらくは春節のお休みで、中華系の方々が大挙して来日されたようですね。

 中国のお正月は旧暦で祝いますが、元日にあたる春節、今年は2月5日でした。中国のお正月は元日からほぼ毎日、例えば5日目は財神を迎える日など、一日一日に何かしら意味が込められてます。

 そして15日目、日本なら小正月にあたる元宵節は新年初めての満月の夜で、満月にあやかって家庭円満を願い、皆で湯圓というお団子をいただく習慣があります。

 ちょっと前置きが長くなりましたが、今年の元宵節にあたる2月19日、大阪中之島のリーガロイヤルホテルの会員制クラブ、リーガクラブさんからお誘いをいただき、『中国浪漫紀行~民族楽器の調べ~』と題してレクチャーコンサートを行ないました。

 リーガクラブさんではかなり以前にも少数民族の音楽でレクチャーコンサートをさせて頂いたことがあるのですが、今回は珍しい楽器の数々を紹介しつつ、中国らしい曲もたっぷり聞いていただこうと思い、笛子奏者の寺田瑞穂さんをお迎えして、デュオで演奏しました。

 当日の演奏曲と使用楽器は次の通り。

 1.草原情歌(梆笛,中阮) 青海民謡

 2.彩雲追月(洞簫,月琴) 任光曲

 3.陽関三畳(塤,中阮) 古曲

 4.絲路駝鈴(中阮,手鼓ほか打楽器) 寧勇曲

 5.美麗的金孔雀(葫芦絲,中阮) 劉強曲

 6.蘇州夜曲(曲笛,中阮) 服部良一曲

 7.姑蘇行(曲笛,中阮) 江先渭曲

 8.春江花月夜(洞簫,古箏) 古曲

 Ec. 夜来香~あなたとトゥラッタッタ(梆笛,中阮)



様々な楽器を使いました

 相方の寺田さんにはたくさんの種類の管楽器を演奏して頂きました。ひとくちに笛といっても横笛には梆笛と曲笛とがあり、たて笛の洞簫はまた全然違った音色ですし、また塤(日本語読みは「けん」、中国読みはシュン)やひょうたんの笛である葫芦絲(フルス)といった珍しい笛も。傍で楽器の説明を聞きながら、私も一緒になって「へええ」と頷きどおし(笑)。

 元宵節の演奏ということで、私も今回は月にちなんで月琴を演奏。琵琶や中阮、柳琴といったリュート型の楽器はたいていスチール弦ですが、月琴はスチールにナイロンを巻いてありますので、他とは違う独特な音色を醸し出します。また案外パラパラッと突き通る音色で、京劇の伴奏として使われることの多いという背景も関係しているのかなと思います。

 また、今回は珍しく古箏を演奏しました。音色に惹かれて留学中に学習したものの、楽器がかさばるため車に乗らない私には運搬が大変でなかなか披露する機会が無かったところ、今回は相方の寺田さんの協力で古箏の演奏が可能となりました。

 中阮の独奏曲『絲路駝鈴』ではウイグルの打楽器である手鼓や、いくつかの鈴で伴奏してもらいましたが、この手鼓というのが案外難しいものなのです。日本でも何度か見たことがありますが、皆さんフレームドラムと同一視されているのか、楽器のへり部分を打つ音が出せる人がいませんねえ。寺田さんはずいぶん練習して下さって、必殺・指パッチン奏法(?)で鋭い音を打ってくれたおかげで、中阮ソロも気持ちよく弾くことができました。

 コンサートではさまざまな楽器を演奏したために音量や音色がバラバラなため、音響はきちんと調整して下さるプロの方にお願いしました。実は私のアイリッシュブズーキの師匠でもある貴瀬修さんで、ひとつひとつの楽器のバランスをみていただきました。音響ひとつで本当に変わるものだと実感しましたよ。

 いろいろとアクシデントも発生しつつ、それでも観客の皆さまが熱心に聴いて下さったお蔭で、こちらも助けられたところもあります。雨の中ご来場くださった皆さま、そしてこんな機会を下さったリーガクラブの皆さま、本当に感謝です。

 終演後、寺田さんとお茶をしに入ったカフェから出てきた時、それまで降っていた雨が止み、雲間から特別大きな満月が!!まさに演奏した『彩雲追月』の世界。元宵節の夜、そして今年最大のスーパームーンに「お疲れさま~」と言われているようで、(一瞬だけですが)疲れも吹き飛びました。



 写真はコンサートのひとコマ。笛子奏者の寺田さんが手鼓を叩く姿なんて、超レアな写真かも。そう、最大の失敗は、最初に写真撮影オーケーのアナウンスをし忘れて、ほとんど演奏中の写真が無かったこと、かもしれません…(寺田さんごめんなさい)

【追記】コンサートが終わって約一週間、なんと主催者の方々が丁寧な礼状と共に写真をお届け下さいました!! お心遣いに感激しつつ、ここに写真の一部をアップさせていただき、ホテルの素敵な雰囲気と、温かくお聴きくださったお客様方との記憶を留めておこうと思います。(寺田さんの洞簫を演奏される姿と、私のレアな古箏演奏の証拠写真でもあります・笑)






 
 コンサート告知ほか 19.1.15
 
 新年好!! 明けましておめでとうございます。
 
 …って、明けてから既に二週間も経ってしまいましたよ。怠けグセは相変わらずですが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 
♪「柳琴への招待」♪
 

 二胡の専門雑誌『二胡之友』にて、2017年第49号より第55号まで全7回にわたり掲載していただいた「阮への招待」。それに引き続き、第56号より「柳琴への招待」の連載を担当しています。



 柳琴は外見がコンパクトで可愛らしいので、中国へ旅行された際に「小さい琵琶かな?」と思って気軽に購入される方もおられるとか。しかし演奏法など分からないため放置され、押し入れの肥やしと化している可哀想な柳琴がいったい日本に何台あることやら…。

 そんな方にもそうでない方にも、柳琴とはどんな楽器か、正しい(?)扱い方から柳琴芸術の鑑賞法に至るまで(大袈裟だな~)解説できればと思っていますので、ぜひ以前の「阮への招待」と併せてご購読下さいませ。
詳細や購読申し込みは下記の公式サイトをご覧ください。

●二胡&中国民族音楽ファンのための中国カルチャー専門誌『二胡之友』
 http://www.nikonotomo.com/

♪リーガクラブ・レクチャーコンサート♪

 中之島のリーガロイヤルホテルにてレクチャーコンサートをします。

 リーガクラブ・コンサート
 『中国浪漫紀行~民族楽器の調べ~』

 日時: 2月19日(火) 13:30~15:00(受付13:00~)
 会場: リーガロイヤルホテル(大阪)・ペリドット(ウエストウイング2階)

 百原明子(中阮・月琴・古箏)
 寺田瑞穂(笛子・洞簫・葫芦絲・塤)

 リーガクラブでのレクチャーは三度目(っても前回は相当に昔でしたが…)。今回は笛子奏者の寺田瑞穂さんにお助けいただき、デュオで演奏いたします。

 「レクチャー」コンサートということで、二人でさまざまな楽器を使いつつ、中国音楽のスタンダードナンバーや、また「陽関三畳」や「春江花月夜」といったシブ~い曲などを解説付きでお届けする予定です。もちろん、お馴染みの曲もあわせて準備中。

 特に笛子奏者の寺田さんが演奏される葫芦絲(フルス)や塤といった珍しい楽器は必聴!! 私も今回、中阮だけでなく月琴や古箏もご紹介できればと思っています。

 リーガクラブは55歳以上の方対象の会員制ですが、講演会には一般の方々も参加できます。

 詳細および申し込みについては、下記リーガクラブのページよりどうぞ。

 申し込みされる前に私までご一報下されば、優待料金でお楽しみいただけるように手配いたしますよ。

●リーガクラブ ・ リーガロイヤルホテル(大阪)
 https://www.rihga.co.jp/osaka/culture/rihga_club

♪第6回中国音楽フェスティバル♪

 二年に一度開催される中国音楽の祭典(そう、お祭りといってもいいでしょう!!)、中国音楽フェスティバル。早いものでもう6回目を迎えることになるのですね。

 今年は4月13日(土)、いつもと同じく上本町のクレオ大阪中央にて開催されます。詳細はこの画面上部の「ホーム」「新着情報」より、中国音楽フェスティバルニュースをご覧ください。

 もちろん、わが弾撥楽団および名張の二胡サークル長弓の会も参加いたします。気合いを入れて練習…しておりますが、さて当日までに仕上がるかなあ(汗) まあ、フェスティバルは参加することに意義があるってことで~

 当日は会場にて観客の皆さま、そして音楽仲間の皆さまにもお会いできることを楽しみにしております!!


 
 名張長弓の会 第7回発表会 18.7.9
 
 地震に大雨、災害が続きますね。被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。被害地域はすぐ近くでもあり、被災した知人もいます。あらためて早目の備えの大切さを実感しますね。
 

   
 早いもので(…と毎年言ってますね)、今年もあっという間に前半が過ぎてしまいました。忙しさにかまけて、日記もすっかりサボり気味。

 さて2018年後半第一日目の7月1日。猛暑のさなか、名張市民センターにて長弓の会発表会が行なわれました。事前に地元のタウン誌が紹介して下さったお陰もあり、用意した座席がほぼ埋まる大盛況!!

 いつものように、全員による大合奏で幕開け。そのあとは三つあるクラスそれぞれによる自由発表が続きます。





各クラス自由発表のようす
      
 決められた持ち時間の中での発表ということで、選曲や演出など一切をクラスのメンバーがアイデアを出し合いながら作り上げます。私は少し前に聞かせてもらい軽くアドバイスをするくらいで、ほぼお任せ状態。

 昔はメンバーが自分たちに弾けるかどうか、が選曲の第一条件でしたが、演奏レベルが上がった今では、まず発表テーマを決め、それに沿った曲を探すようになりました。二胡は楽譜や伴奏音源がたくさん販売されていますから便利ですね。難しい曲に四苦八苦しながら、それでも当日までにちゃんと仕上げてくるガッツに脱帽です。

 『花は咲く』では歌詞カードを配って客席の皆さんと共に歌い、『365日の紙飛行機』では実際に紙飛行機を客席に飛ばし、『また君に恋してる』では「いいちこ」のパッケージをさりげなく振って見せ・・・お客さんの反応も上々!!

 自由発表の次は講師の中阮独奏。今回は林吉良作曲の『睡蓮』を演奏しました。朝に開き、夕方までには閉じてしまう睡蓮の、花開く瞬間や昼下がりのけだるさなどの情景を伝えられれば、と思いながら演奏しました。


全員の大合奏

 休憩を挟んで最後のプログラムは、全員による大合奏三曲。最初は彝族の民間楽曲『快楽的啰嗦』でにぎやかに、二曲目は日本でもお馴染みのメロディ『スケーターズワルツ』。本来は7分を超える長い楽曲ですが、それを4分強にまとめてみました。最後の『賽馬』は前回もやりましたが、今回はスピードもレベルも更にアップして演奏。

 客席からはアンコールの掛け声と手拍子が!!しまった、予想外だったので何も用意していませんでした。でもアンコールがあったということは、お客さんが喜んで下さったという証拠。嬉しいことです。

 長弓の会ではグループの一体感、そしてお客さんに楽しんでもらえる演奏とは何か、を常に意識するよう指導しています。下を向いて楽譜にかじりつきお客さんを見ない演奏って、一方通行で面白くないと思うのですよ。

 「お客さんに楽しんでもらう」ことにかけては、演奏以外においても発揮されています。毎回お花を飾ったりメッセージを用意したりと何かしら趣向が凝らされていますが、今年はなんと会場にお花畑が!!・・・というのは大袈裟かもしれませんが、アジサイをメインに皆さんが大量の花を集めて並べてくれました。
 



 
 花のほかにも中国グッズを展示したり、少しでも楽しんでもらおうという気持ちが散りばめられた発表会。メンバーのおもてなしの心、お客さんに伝わっていればいいなと思います。

 さて長弓の会、これからいくつかのイベント出演をこなしつつ、来年の第6回中国音楽フェスティバルに向けて練習中(4月13日(土)開催)。一同せいいっぱい頑張りますので、どうぞ見に来て下さいね!!


お花に囲まれて、メンバーひとりひとりがお花みたいですね


 
 弾撥組 第三回発表会≪百花斉奏≫ 17.7.25
 
 毎日毎日、本当に暑いですねえ。皆さんどうぞ熱中症など気を付けてくださいね。

 さて少し日が経ってしまいましたが、7月8日、新大阪ココプラザにて弾撥発表会を行いました。第三回を迎える弾撥発表会、今回も晴れ男晴れ女さんのお陰で天候に恵まれた中、多少の冷や汗と共に熱く(暑く?)開幕いたしました。
 

   
 この日のプログラム。まずは教室のメンバー全員による「快楽的??」の大合奏で始まり、月琴に柳琴、中阮と、メンバーひとりひとりの独奏が続きます。一曲があっという間に弾き終わっていた昔に比べ、それぞれが長め、かつ難易度の高い曲を演奏できるレベルになったのが、老師としては嬉しい限り。

 ちなみに前半の演奏曲は次の通り。今年はギターの名曲「禁じられた遊び」なども中阮用に編曲してみました。中国音楽を知らないお客さんにも、少しホッとしていただけたかな?

・彩雲追月(月琴独奏)
・歩歩高(中阮独奏)
・森吉徳瑪(柳琴独奏)
・禁じられた遊び(中阮独奏)
・達姆、達姆(中阮独奏)
・在北京的金山上(柳琴独奏)


教室メンバーの大合奏
   
 後半は私と友情出演の方々による演奏。第一回からご参加下さっている大三弦の萩原さんに加え、今回は古箏の川崎真理子さんにもご出演いただきました。

 お二方がご披露下さった独奏曲、偶然にも同じ「高山流水」。大三弦は河南地方の、古箏は浙江地方のものですが、同じタイトルでも全く別物で、男性的で骨太の河南、女性的で華やかな浙江と、それぞれの特徴がよく表れた曲調となっています。

 私の方はというと、今回は初めて柳琴の独奏を。昔、たまたま買った柳琴のテープ(実は呉強老師のものでした)を聞いてその迫力と表現力に驚いた思い出の曲、「木棉花開」を演奏しました。自分自身の演奏はとても満足できるレベルのものではありませんが、「柳琴って色んな技巧と表現ができるんだ」と感じてもらえればと思いまして。

 また今回は公開の発表会最後だからと、友情出演の方々との重奏を企画してみました。大三弦の萩原さんは東京在住というのもあって今まで独奏のみお願いしていましたが、発表会までに私が何度か東京まで合わせの練習に通うことで、柳琴と大三弦の二重奏が実現しました。

 その曲「三六」は江南絲竹の名曲で、今回演奏したのはそこから琵琶のパートを抜き出した「弾詞三六」を顧冠仁が編曲した弾撥楽器バージョンです。弾撥合奏として演奏されることの多いこの曲、出来ばえは当日ご来場下さった方のみぞ知る、ということで…。


柳琴と大三弦の二重奏
   
 そして今回はもう一つスペシャル企画(?)を。中国楽器でアイリッシュ音楽をやってみよう、と「Chirish (Chinese × Irish)」なる三重奏にもトライしてみました。実はアイリッシュかぶれの私だけでなく、古箏の川崎さんもアイリッシュ音楽がお好きなのだとか。

 そんなわけで柳琴と古箏、そして萩原さんには快板という語り物に使う打楽器をお願いし、ちょっと不思議な取り合わせの三重奏を。曲目は映画「タイタニック」のダンスシーンに使用された「John Ryan's Polka」「Kesh Jig」の二曲、そして先ほどの「三六」を編曲した「三六Jig」なるものも。

 江南絲竹は皆がそれぞれ楽器を手に取って自由にアレンジを加えながら合奏するもの。あれ、それってアイリッシュ音楽も同じじゃないか?と思ったのがきっかけ。じゃあミックスしてみたらどうかな?と、「三六」をアイリッシュのダンス音楽に欠かせない、Jigという8分の6拍子の形式に編曲してみました。

 個人的には楽しく演奏できた「つもり」、お客さんにはおおむね好評だった「感じ」ではありますが、まあ江南絲竹やアイリッシュなんてものはそういう音楽じゃないかな、ということで(笑)。
 

Chirish三重奏
 
 最後は再び教室の皆さんによる大合奏で締めくくりました。弾撥発表会はしばらく一般非公開という形でやっていきますが、機会があればまた皆さんにご披露できれば、と思っています。

 今回はたくさんの音楽仲間が駆けつけて下さいました。客席からの温かい声援に支えられた場面も少なくありません。途中、客席の見知らぬ方からの突然の挙手による質問コーナーも出現したりと、出演者の我々が楽しませてもらった事も多くあり、おかげさまで良い発表会になりました。皆さんに感謝です。


↓そうそう、4月の中国音楽フェスティバルの時の動画がYou Tubeにアップされていますので、よろしければご覧くださいね。生徒の皆さん頑張っているのに老師がコケててお恥ずかしい限りですが(笑)。

長弓の会「アラムハン?ロンドンデリーの歌?The Atholl Highlanders」
https://www.youtube.com/watch?v=b6KkxsaCRrU


 
 『二胡之友』 17.5.29
 
 しばらく前にもお知らせしましたが、『二胡之友』という雑誌に「阮への招待」と題した文章を連載することになりました。掲載された号が届きましたので、宣伝も兼ねてご紹介させて頂きますね。
 

『二胡之友』49号(2017年5,6月号)
   
 011年5月の創刊以来、二胡専門の雑誌として毎月発行(2013年からは隔月発行)されている『二胡之友』。毎回よくまあ二胡だけでそんなにネタなんてあるもんだ、なんて思っていましたが・・・

 新号は「二胡教本・楽譜特集」。楽譜はたくさん出版されているものの、案外少ないのが二胡の「教本」。最近出版された教本について、比較しながら解説(突っ込みも鋭い!!)されています。また各書の目次が載せられていて、内容がわかりやすいのが良いですね。

 他には最近来日された二胡奏者の厳潔敏さん(二胡やってる中国人で知らない人はいないでしょう)のインタビューや、日本での数々のコンサート&イベントレポート(結構あちこちで色々やってるんですねえ)など。

 個人的には二胡楽曲のアナリーゼ(楽曲分析)がいいなあと思いました。生徒にも「今はちんぷんかんぷんかもしれないけど、プロはこんな風に楽譜を読むんだな、と意識するだけでもいいですよ」とお勧めしています。まあ実際は皆さん「初心者レッスン体験記」をうなずきながら読んでおられますが(笑)

 で、自分の担当ページ「阮への招待」。とりあえず初回は阮の歴史について書きましたが、決められた字数の中でまとめるのってなかなか難しいものですね。私が冗漫なダラダラ書きしかできないのは、この音楽日記を読んでおられる方はよくご存じでしょう(笑)

 あと、やはり雑誌に掲載されるということで、それなりにちゃんと裏付けを取らないと、という気持ちもあり。留学中および帰国してからも上音の図書館でコピーした沢山の資料を引っ張り出し、苦手な中国語を時間をかけて全部読みました(理解できているかどうかは疑問)。ネット検索は資料を探す参考にはなっても信用できないですからね。

 先日出稿した第2回の内容は、阮の構造と調弦を中心に、ギターやマンドリンといった西洋楽器との違いを意識してみました。とはいえ、書きたいこと全部は書けないまま字数制限に阻まれたので、この音楽日記で補足できるものはしていこうかなと考えています。・・・いつになるかは不明ですが・・・

 雑誌についての詳細は下記サイトをご覧ください。

 『二胡之友』http://www.nikonotomo.com/

 ♪百原中国楽器教室 弾撥組 第三回発表会≪百花斉奏≫♪

 前にも書きましたが、あらためて7月の弾撥発表会のご案内です。
 

 
 二年に一度行っている弾撥楽器のみの発表会、今回は大三弦の萩原有里さんに加え、古箏の川崎真理子さんが友情出演して下さることになっています。

 お二方の独奏は、どちらも同じ「高山流水」という曲です。そう、「知音」という言葉にもなった、伯牙と鍾子期の故事を元にした曲ですね。同じタイトルで三つの地方の筝曲が作られていますが、そのうち大三弦で河南の曲を、古箏が浙江の曲を演奏します。

  また古箏と柳琴、打楽器でアイリッシュも何曲か演奏する予定です。江南絲竹曲の「三六」と共に、それをアイリッシュのリズム、ジグ風に編曲した「三六Jig」なんかもやっちゃいますよ~

 今までずっと公開という形で弾撥組の発表会を行ってきましたが、公開は今回が最後になります。柳琴・中阮・月琴生徒の皆さんも頑張って準備中です。ぜひご来場くださいね!!

 日時: 7月8日(日)13時開演 もちろん入場無料
 会場: KOKO PLAZA 2階ホール エクスプレス・ココ
   (JR・地下鉄御堂筋線「新大阪駅」下車 JR東口より徒歩5分)


 
 第五回中国音楽フェスティバル 17.5.15
 
 

   
  二年に一度の中国音楽フェスティバル、第五回はクレオ大阪中央にて4月30日に開催され、私も弾撥および二胡の二つのグループを率いて参加してまいりました。

 第一回よりずっと「東風1/f」として参加していた弾撥楽団ですが、今回はメンバーが大幅に交代したのもあり、「百花(ももはな)弾撥楽団」として出演。柳琴2人、月琴1人、中阮4人、そして大阮担当の私、と全部で8人の編成です。

 演奏曲は、彝族の民間楽曲『快楽的??』、インドネシアの曲『ブンガワン・ソロ』、青海省の民歌『花児与少年』の三曲。『ブンガワン・ソロ』は日本でもお馴染みの曲ですが、『快楽的??』『花児与少年』も中国ではよく知られた曲です。

 弾撥の合奏譜を書く際には常に「弾撥楽器にしかできないこと」を意識しています。フェスでは大半が二胡グループですので、差別化を図りたい気持ちもあり。『快楽的??』のにぎやかさとキッパリ感、『ブンガワン・ソロ』はハーモニーの美しさ、『花児与少年』ではリズム感を出しつつ柳琴と中阮で男女の掛け合いを表現・・・したつもり。

 今回は柳琴と月琴が合わせて三人もいたせいか、いつにも増して弾撥楽器のキラキラ感が出せたかなと思います。また、ベース担当の私は毎回「五弦中阮」(中阮に低音の弦を足して大阮の音域をカバーしたもの)を使用していたのですが、今回は大阮にしてみたころ、やはり楽器が大きなぶん豊かな響きが得られることを改めて実感しました。大阮、いいなあ~


百花(ももはな)弾撥楽団
   
 そして名張の二胡サークル「長弓の会」、フェス参加は今回が三度目です。並みいる他の二胡グループに紛れてしまわないよう、心がけていることは「とにかく大きな音で、何があっても笑顔で、そしてお客さんにはサプライズを!!」。今回のサプライズは・・・アイリッシュダンス!!

 一昨年のアイルランド旅行辺りからアイリッシュかぶれが続いている私、長弓の会でも何か上手く活かせられないかな、と考えておりました。昨年の発表会の「賽馬」で立奏もできるようになったし、そこから発展させて皆でダンスを踊ってみるのも面白いのではないかと。

 いつもは私が中阮で伴奏をしていますが、それだと立奏が不可能なため、中阮は弾撥メンバーの一人にお願いして、私は打楽器を担当することに。演奏曲は『アラムハン』、『ロンドンデリーの歌』、『The Atholl Highlanders』の三曲。うち『アラムハン』は新疆の曲、新疆といえば手鼓(ダブ)、ですよね!!

 所有している蛇皮手鼓、『アラムハン』では従来の奏法そのままに手を使って演奏し、『The Atholl Highlanders』ではアイリッシュの打楽器「バウロン」を模して、ビーターと呼ばれる棒で叩くのもいいのでは。

 バウロンは裏側にバーが付いており、左手で皮を押さえる事で音量や音程を調整できるようになっています。バーがあれば立奏も安定するし、二種類の奏法が可能ではないか。さっそく改造にとりかかり、完成したのが下の写真です。


新疆の蛇皮手鼓に、バウロン風にバーを取り付けた改造(?)手鼓

   
 そして本番。今回は立奏&ダンスのため譜面立てを取り去ってもらい(そう、全曲暗譜です!!)、メンバーには「お客さんへとびっきりの笑顔をお届けする」ことを一番に心がけてもらいました。

 『アラムハン』ではとにかく元気に大きな音と動きで、『ロンドンデリーの歌』では音を揃えて丁寧に、そしてラストの『The Atholl Highlanders』。1コーラス目が終わり、2コーラス目が始まったところで・・・突然、順々に立ち上がる!!

 続いて弓を収め、腰に手を当て胸を張り、靴音を鳴らしながらリバーダンスよろしく足を振り上げアイリッシュダンス!! その後もステップを踏みながら演奏し続けました。客席からは手拍子をして下さったのも嬉しかったですね。


ダンスを踊る長弓の会メンバー
 
 曲を練習し始めた頃、メンバーからは「暗譜なんてムリ~」「ステップややこしくて覚えられない~」「踊りながら弾くなんて不可能」などとブーイング多々でしたが、それでも「何だかんだでできるようになったよね」と実感してもらえたのが、先生として非常に嬉しいです。まだまだ挑戦は続きますよ、皆さん!!

 撮影してもらった動画がありますので、また編集できましたらご案内させて頂きますね。

 フェスティバルでは毎回、どこのグループも真摯に取り組んでおられるのが伝わるステージで、出演者として参加するだけでなく見ているだけで勉強になります。趣向を凝らした演出も多く、「今年はそう来たか~」と、刺激を受けてやる気がむくむく湧きあがりますね。

 このフェスティバルのお陰で、関西(だけではありませんが)の中国音楽のグループは互いに切磋琢磨に努め、どんどん進化していけるのだと思っています。次回は二年後、皆さんのステージを見るのが本当に楽しみです!

 最後に、いつもきめ細かく対応して下さるフェスティバルの実行委員会の皆さま、そして出演者の皆さま、本当にお疲れさまでした&有難うございました。
  
 

 
 活動予定などのお知らせ 17.4.22
 
 ご無沙汰しております。年が明けたのがついこの間と思っておりましたのが、気が付けば4月ももう終わり。今さらですが活動予定などをお知らせしておきますね。

♪第五回中国音楽フェスティバル♪

 二年に一度、中国音楽愛好家が一堂に会する(?)フェスティバル。自分たちが参加するだけでなく、他のグループのステージを見るのも楽しく、また勉強させてもらえるイベントです。

 今回も二団体で参加しますので、ご覧になって下さいね。

 ・13:48ごろ 百花(ももはな)弾撥楽団
 ・17:00ごろ 長弓の会

 日時:4月30日(日)13時開演 入場無料
 会場:クレオ大阪中央(地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽丘」駅より徒歩4分)

♪百原中国楽器教室 弾撥組 第三回発表会≪百花斉奏≫♪

 こちらも二年に一度行っている、弾撥楽器のみの発表会です。今回はいつもの大三弦の萩原有里さんに加え、古箏の川崎真理子さんも友情出演して下さることになっています。お二方の独奏に加え、二重奏や三重奏、そして中国楽器でアイリッシュなんかも演奏する予定です。

 今までずっと公開という形で弾撥組の発表会を行ってきましたが、公開は今回が最後になります。気合い入れて準備中ですので、よろしければご来場くださいませ。
 

   
 日時: 7月8日(日)13時開演 もちろん入場無料
 会場: KOKO PLAZA 2階ホール エクスプレス・ココ
   (JR・地下鉄御堂筋線「新大阪駅」下車 JR東口より徒歩5分)

 ♪雑誌『二胡之友』への掲載♪

 『二胡之友』という、その名の通り二胡専門の雑誌があるのをご存知でしょうか。この雑誌の中で二胡以外の楽器を紹介するページがあり、阮についての紹介を私が担当することになりました。

 マイナー楽器である阮の魅力を紹介できたら、そして阮を始めてみようと思っている方の参考になれば…そんな視点で書いていきたいなと考えています。雑誌には他にも二胡や中国音楽に関する記事が盛り沢山ですので、よろしければご購読下さいね。

 4月28日発売の第49号より、五回ほど掲載される予定です。雑誌についての詳細は下記サイトをご覧ください。

『二胡之友』http://www.nikonotomo.com/


 
 日本華楽団成立20周年記念コンサート 16.8.1
 
 モモ日記では少し前より、自分と中国音楽との出会いについて書き始めています。三国志から始まった中国への興味はやがて音楽へと移り、ほどなく中国楽器オーケストラに入団。そのことで中国音楽への視野が一気に広がることとなります。

 7月24日(日)、この中国楽器オーケストラ、日本華楽団の成立20周年の記念コンサートが、神戸国際会議場メインホールにて開催されました。以前在籍していたOBOGにも参演のお誘いがかかり、私も柳琴パートで舞台に立たせて頂きました。

 2001年に上海へ留学するために退団してから、なんと約15年。コンサート前に数回行われた合同練習では、アンサンブルとはまた違う、大人数での合奏のカンがなかなか戻らず四苦八苦しました。

 それでも久しぶりにお会いする懐かしい方々、そして新しくご縁ができた方々と一緒に練習を重ねるのはやはり楽しいもので。オケ練習の良い所は他の楽器の音があちこちから聞こえてくること、そしてそれが重なり合った中に自分のパートが上手く乗った時の気持ちよさ。忘れていた感覚がよみがえりました。
 

長城頌 ~華楽の国際交響~
   
 プログラムは以下の通り。

・胡琴協奏曲『京風』(独奏:高揚)

・合奏曲『日本の四季』『シルクロード』『リベルタンゴ』『光明行』『賽馬』

・二胡協奏曲『長城随想』(独奏:姜建華)


 20周年記念イベントの一環として、前日の23日には「中楽国際コンクール」、邦楽器による「邦楽の夕べ」、そして24日の昼には前日のコンクール入賞者演奏会なども開催されました。私もこの入賞者演奏会を観ましたが、揚琴五重奏や琵琶独奏などはさすがプロ!!なレベルでした(その他は…う~ん、まあまあ)。

 夜の本番では日本華楽団の楽団員、我々OBOGのほか、コンクールで来日していた台湾の九歌民族管弦楽団の皆さんや、西洋管楽器の方々が助っ人として加わって下さっていました。二胡などの擦弦楽器類以外は、OBを入れても絶対数が足りませんからね。はっきり言って我々団員だけではレベル的に少々不安なところ、彼らのお陰で大いに助かったのも確かです。


リハーサル風景
   
 『京風』は、独奏者が京胡・二胡・板胡の三種類の胡琴を持ち替えで演奏する、全三楽章の協奏曲。北京の歴史や風景を題材に、京劇をはじめ民間音楽の旋律が随所に挿入された、味わいある曲です。

 続いて日本人にもお馴染みの小品5曲の合奏。それぞれに日本在住の中国人奏者の方々が主旋律を担当し、華を添えて下さいました。たぶん中国音楽にあまり詳しくない観客にとっては、この時間が一番ほっとされたのではないでしょうか(笑)。

 休憩を挟んでいよいよ『長城随想』。劉文金作曲、閔惠芬の初演で有名なこの曲、実はその閔惠芬と日本華楽団が2003年に共演した際、私も楽団に加わって演奏した経験があります。2013年に劉文金、そして2014年に閔惠芬と続けて世を去ったお二人の事を思い、感慨にふけらずにいられません。

 劉文金の作品は、スッと耳に入る旋律で、楽団譜も難易度がそう高くない割には各楽器の良いところを引き出しているなあ、と感じます。作曲家が民族楽器の特徴を熟知しているかどうかは、弾撥楽器類のパート譜を見れば一発でわかりますもの(笑)。2004年に北京の柳琴学会に出席した際に少しお話する機会があり、とても温厚な方だなあという印象でした。もっと長生きされて作品を発表して頂きたかったですね…。

 さて姜建華さんの独奏、音色もさることながら、その全身を使って表現する迫力に、観客だけでなく楽団員の目も耳も釘づけ!!思えば昔、私が初めて二胡の生演奏を聴いたのがこの方でしたが、その頃より更にオーラが増している感じです。

 壮大な第一楽章、二胡の演奏に聞きほれながら弾く途中、隣で「パンッ!!」という音が聞こえました。台湾の助っ人の彼女の一弦が切れたのです。げげ。続く第二楽章は超高速で苦手な部分が多いからアテにしていたのに(こらこら)。しゃーない、以降は落ちないよう必死で頑張りましたよ!!

 全四楽章、約30分に渡る『長城随想』。この曲が持つ力もあるのでしょうか、終わった後は感動で胸いっぱいでした。正直いうと、今回の舞台では色んな事件が勃発していたのですが、そんな事もうどうでもいい(いや、良くないですけどね…)。

 楽団を離れて長い時が経ちましたが、演奏会や何かある時にはお会いする機会も多い、昔の音楽仲間たち。沢山の方々がこの楽団から巣立ち、今や引く手あまたの演奏家として活躍している方も少なくありません。そういう意味でもこの楽団と、それを率いるコンリンさんの果たされた役割は大きいと思います。

 最後に、今回のコンサートでお世話になった皆さんには本当に感謝です。数々の心配り、どうも有難うございました!!また機会あればお会いしたいです。25周年記念にもちょっと期待を寄せつつ・・・。


 
 名張長弓の会 第6回発表会 16.7.12
 
 

   
 梅雨も明けやらず、蒸し暑い日が続いていますね。集中豪雨なども多く、悪天候ですぐにストップするJR沿線在住の私は、発表会を予定している週末の大雨予報にずっと気を揉んでいたのですが・・・。

 発表会当日の7月10日の日曜日は、きっとメンバーかお客さんに日ごろの行いの良い方々が多かったのでしょう、前日の豪雨の影響もなく晴れやかな発表会日和となりました。


「アラムハン」大合奏
   
 『アラムハン』の大合奏で開始した後は、3つあるクラスごとのグループ発表です。歌あり踊り(?)あり、二胡以外の楽器も駆使しながら、持ち時間の20分いっぱい使って演奏しました。

 いつも「観客に楽しんでもらえる舞台を」と指導していますが、今回も各クラスそれぞれ見せ場をいくつも盛り込んでいて、お客さんの目と耳をばっちり釘付けにできたのではないかと思います。

 繰り返し強調しますが、グループ発表は選曲から演出まで全てメンバーの手によるもの。一週間前のレッスンにおいてさえアイデアを出し合い、もっと良くなるようにとギリギリまで努力する彼らの姿は非常に感動的でした。

 さて、写真をご覧になって「これ、何?」と思われた方もおられるかもしれません。私はいつも長弓の会では中阮で伴奏しているのですが、今回は同じ撥弦楽器でもちょっと違うものを持ってきました。

 そう、過去の日記にも書きましたが、一年前のアイルランド旅行で買って帰った、アイリッシュブズーキです。あれから密かに練習し、やっと皆さんの前で披露する機会ができました。とはいえ、たった一年で大して上手に弾けるわけでもなし、ですけれど。

 まあせっかくだからと、大合奏の伴奏の他にアイリッシュ音楽を二曲演奏しました。うち一曲は映画『タイタニック』のダンスシーンにも使用されていた、「Kesh Jig」(映画のと違って安全速度です…)。

 アイリッシュ音楽は中国の江南絲竹曲のように、いろんな楽器で合奏するからバリエーションも広がり楽しいのであって、名手ならともかく私みたいな初心者が一人でソロを弾いても何となくショボい感じですけどね(笑)。

↓ちなみにうちの師匠の手にかかると、ブズーキもこんな感じに。うーん、素晴らしい!!

●Bach Cello Suite 1 Prelude on Irish Bouzouki - 貴瀬修
https://www.youtube.com/watch?v=hapIKqYMilM

●The Rain Song on Irish Bouzouki - 貴瀬修(視聴回数けっこうスゴい!!)
https://www.youtube.com/watch?v=4dLzsZlPZZk

 あと、いちおう私も二胡の講師なので「月牙五更」など演奏してみました。北方の曲ってあの何ともいえない風格が大好きなんですよね~。今回の演奏は(曲が短いのもあり)、いつもド緊張する私にしてはまあまあ上手くいった方かも?

 最後の大合奏では、せっかくのブズーキなのでアイリッシュ関係の曲と、そして長弓の会はじめての立奏で「賽馬」に挑戦!!途中で落馬しかける人続出でしたが、何とか最後まで弾ききりました。・・・たぶん(笑)


   
 こうやって写真を見ると、立奏では皆さん下ばかり向いていますねえ。見栄えが良くないので、次回出演の時は暗譜しますよ、暗譜!! という訳で、来年4月の中国音楽フェスティバルでは、更にパワーアップした長弓の会のパフォーマンス(あ、もちろん演奏も。)をお楽しみに!!


メンバー揃っての記念撮影。夏服もなかなかいいですね♪
    

 
 7月の告知など 16.6.28
 
 梅雨のうっとうしい天候が続き、暑かったり寒かったりで体調管理も面倒な毎日ですね。早いもので、今年ももう半分が過ぎようとしています。

 さて、もう直前ではありますが、私が参加する7月のイベント予定などお知らせしておこうと思います。


名張長弓の会発表会
   
 名張の長弓の会では、発表会を二年に一度行っています。最初は非公開でしたが、ここ数回は地元のタウン誌などにも告知をして、お客さんにも見て頂けるよう公開発表会にしています。

 最近は中国音楽フェスティバルへの参加など、地元以外でも演奏する機会が増え、以前に増して「お客さんに楽しんで頂く」ことを意識するようになった彼ら。また去年に中国音楽コンクールで受賞したことも、大きな自信となりました。

 3つのクラスごとの発表と大合奏があり、クラス発表ではメンバーそれぞれが選曲から演出まで全て自分たちでアイデアを出し合い、作り上げていきます。回を追うごとにバリエーションも豊富になってきた彼らの演奏、ぜひ見にいらして下さい。

 ちなみに講師である私も、アイルランドで買ってきた楽器も含めて演奏します。実を言うと生徒より緊張しているかも(笑)

 何人かの方々には最初7月3日とお知らせしていましたが、会場側の都合で部屋が使えなくなり、1週間遅い開催となりました。予定を開けて下さっていた方々、本当に申し訳ありません。

♪長弓の会 第6回発表会
日時:7月10日(日) 13時より
会場:名張市民センター(旧称:名張公民館)2階 集会室 ※入場無料


日本華楽団・長城頌
   
 上海に留学する前に所属していた中国民族楽器オーケストラ、日本華楽団(当時はオーケストラ華夏という名称でした)が結成20周年を迎えました。それを記念して、楽団のOBに参演のお誘いがかかり、私も参加させて頂くこととなりました。

 この演奏会、ゲスト陣がとにかく豪華です。日本でも活躍されていた姜建華さんに高揚さん、そして指揮に瞿春泉氏を迎え、30分近くある協奏曲『長城随想』を演奏します。

 日本では一般のお客さんへのウケ狙いで日本や西洋の曲を演奏する奏者が多いですが、プロ中のプロ、姜建華さんが生で協奏曲を演奏される機会なんて滅多にないですよ!!迫力ある二胡ソロだけでも一聴の価値ありです。

あ、もちろん耳馴染みのある曲も演奏することになっているので、そこでホッと一息ついてくださいね(笑)

♪長城頌 ~華楽の国際交響~
日時:7月24日(日) 18時 開演(17時半 開場)
会場:神戸国際会議場メインホール ※前売券5,000円 当日券5,500円

 23、24日の両日に渡り、他にも沢山の演奏会などが予定されています。詳しくは下記サイトにてご確認下さい。

日本華楽団 演奏活動情報
http://www.gonglin.com/event.html
 

 
 コンクール受賞記念ミニコンサート 15.10.5
 

 
 名張の二胡サークル「長弓の会」が、今年6月に中国音楽コンクールにて銀賞を受賞したことを記念して、10月4日(日)にミニコンサートを行いました。

 コンクールは神戸で開催されたため、神戸の新聞に名前は掲載されたものの、地元である三重までは当然ながら情報は伝わりません。「誰も私たちの受賞を知らないのも何だか寂しいね、できればお披露目したいよね」という生徒達の声が少しずつ高まり、「じゃあ記念コンサートやっちゃおう!!」なんてことに。

と はいえ、特別に日を設けて開催するのも大層なことですし、フルコンサートを開催しようと思えばそれなりの準備期間も必要。…なもので、通常のレッスンの合間、お昼を長めに設定してミニコンサートを、ということになりました。

プログラムは次の通り。

1.よろこびの歌
2.おぼろ月夜
3.採茶撲蝶
4.少年時代
5.もみじ
6.ジングルベル
7.草原情歌
8.彩雲追月
9.蘇州夜曲
10.翼をください
11.好漢歌

 11曲のうち、中国曲が4曲。曲目は毎回代表者会議で決めるのですが、私の「中国曲入れたいな~」という意向を苦笑いしながらも反映して頂けるのが有難いところ。やっぱり中国の楽器ですから中国曲も聴いてもらわないとね♪

 ミニコンサートといっても休憩なしで約40分、実のところ10曲を超えるコンサートは今回が初めてです。昔は簡単な唱歌を中心に演奏することが多かった長弓の会ですが、いつのまにかレパートリーも増え、いろんな客層に対応できるように。


タウン誌「YOU」さんの記事
 
 伊賀のタウン情報誌「YOU」さんが事前に告知記事を掲載して下さったほか、産経新聞さんの地方版にも写真入りで載せて頂いたらしく、宣伝効果ばっちり。そのお蔭で予想していた以上に多数のお客様がご来場下さって、用意していた椅子やプログラムが足りず、申し訳なくも嬉しい状況でした。

 数年前までは10分3曲くらいのプログラムでさえ緊張で固くなっていたメンバーが、日に日に自信もつき音量も増し、今回のように長時間でも持てる実力を発揮できるまでに。フェスティバルやコンクールを通じて大きく成長したようです。

 「好漢歌」のラストでは「ヘイ!!」の掛け声と共に拳を振り上げる演出で締めくくりますが、ぴったり息の合った掛け声には毎回必ず客席からどよめきが返ってきて、「へへ、ビックリさせてやったぜ♪」とほくそ笑んでしまいます。もう、クセになりそう~。




 
 会場には、メンバーの心遣いの数々が散りばめられていました。庭の花を持って来て下さったり、それを美しく生けて下さったり、またお客様へのメッセージカード付きのキャンディを用意して下さったり。

 名張の皆さんに対していつも思うのは、おもてなしの文化が自然と身についておられること。また自主的にきびきびと行動して下さるので物事がスムーズに進みますし。この地域の特性を、いつまでも伝えて貰いたいですね。

※長弓の会では常時会員募集中です。私達と一緒に合奏を楽しみませんか? レッスン見学もしていただけます。もちろん県外の方も大歓迎ですよ! 
    


 弾撥組第二回発表会≪百花奏鳴≫ 15.7.10

 7月5日、新大阪にて第二回弾撥発表会を行いました。前回の弾撥発表会から二年ぶり、生徒の皆さんも舞台での演奏にちょっとは慣れた・・・かな?


 
 当日はがっつり雨という予報でしたが、日頃の精進のおかげか晴女晴男のメンバーが梅雨前線を止めてくれたのか早朝の雨だけで済み、やれやれでした。雨が降ると客足にも影響するほか、出演者も楽器やら譜面立てやら衣装やら持ち物が多くて、来るだけで大変ですもんね。

 幕開けは大合奏「快楽的羅索(+口へん)」。この曲は彝族の民間楽曲で、短い旋律が途中で転調を経て何度も変奏が繰り返され、どんどん賑やかになっていきます。今回から月琴の生徒が加わり、独特の音色でさらに少数民族っぽい雰囲気が増したかも。


 
 続いて生徒の皆さんによる独奏、そして二重奏が入れ替わりで続きます。うちの教室では影アナから舞台のセッティングまで、ホールの音響スタッフさん以外は全て出演者の皆さんでやって頂いています。経費節約のためもありますが、多くの教室のように上げ膳据え膳でなく、自分達が舞台を作っているという意識を持ってもらう意味もあるんですよね。

 休憩を挟んで第二部は、それぞれトークを交えての演奏。前回に続き友情出演して下さった大阮奏者の方と、広東音楽「旱天雷」で中阮・大阮で二重奏をしました。

 同じく今回も友情出演して下さった、北京で大三弦を学ばれている萩原有里さんは河南の「十八板」を演奏。河南の曲はカッコよくていいですね~♪演奏もさることながら、トークでは中国の拍の概念など非常に興味深い内容でした。

 私も続いて中阮独奏を。今回何を弾こうかと迷いましたが、私の腕だと弾ける曲が限られてきます。あまり簡単な曲だと「阮ってこんな演奏法しかないのか、大した事ないな」なんて思われるのも悔しいですしね。実際に日本で合奏に加わっている中阮など見ていると、たいていが大阮のような役割しか担当していなかったりでモヤモヤします・・・

 結局選んだのは「火把節之夜」。この曲は元は琵琶の独奏曲で、世間的には独奏曲のレベルとしては簡単だと認識されています。それでも曲中には弾撥楽器ならではの様々な技法が入っており、「へえ、中阮もこんな表現ができるんだ(モモは下手だけど。)」と思ってもらえればと。ま、やはりというか本番では玉砕しましたが。控室ではいい調子だったのにな~(涙)

 さて最後を飾るのは、弾撥アンサンブル東風1/f。フェスと同じ「遊撃隊歌」「埴生の宿」「大都会」の三曲ですが、「大都会」では旋律のよく似た美空ひばりをかませてみたりと、フェスの時とはアレンジを変えてみました。そして何より!!


 
 やっぱり「大都会」ですからこうじゃなくちゃ♪アフロにグラサン、二人ともよく似合ってますね(笑)

 約二時間と発表会としては短い時間かもしれませんが、オール中国曲プログラム(東風以外。)にどれもこれもレアな楽器、そしてレクチャー的トーク。ご来場の皆さまには非常に濃ゆ~い時間を過ごして頂けたのではないかと思っております。


 
※前回の日記で触れた中音フェスでの「長弓の会」の演奏映像、YouTubeにアップしましたのでぜひご覧ください♪

♪ジングルベル https://youtu.be/S4odKXsz_FA
♪翼をください https://youtu.be/ZtC0whnZykY
♪好漢歌    https://youtu.be/xiH3Id2TaM4


 
 第16回中国音楽コンクール 15.6.10

 梅雨に入って少し暑さがやわらぎ、超暑がりな私にとっては過ごしやすい日が続いています。がこの季節、雨が降るなか楽器を運ぶのはとても大変。小さな楽器ならまだしも中阮はかさが大きいもので、出かけるのがおっくうで仕方がない…。

 さてそんな梅雨に晴れ間がのぞいた6月7日の日曜日、神戸の中華会館内の東亜ホールにて中国音楽コンクールが開催されました。

 そう、2012年の第13回でわが弾撥アンサンブル・東風1/fが銀賞をいただいた、国際音楽協会主催のコンクール。

 第16回の今年は、名張で指導している二胡グループ「長弓の会」で参戦してまいりました。

 過去の結果からすると、二胡に対しては少々辛口採点に思えるここのコンクール。二胡グループで成績を残せるか不安ではありましたが、長弓の会メンバーの演奏もイベントなどの出演を経てどんどん上達してきたので、そろそろ大丈夫かと思い出場を決めました。どうせなら入賞したいですし、狙うは銅賞!


コンクールプログラム
 
 長弓の会は「合唱・合奏の部」にて出場。審査開始が朝一番の10時からということで、名張メンバーは6時すぎに家を出られたとか…。私も奈良在住ですから似たようなもの。私を含め総勢17名、みな眠い目をこすりながらの会場入りです。

 演奏曲は「採茶撲蝶」と「好漢歌」の二曲。「制限時間6分以内、中国の作曲家による中国音楽に限る」という規定の中で、長弓の会の実力が最大限に発揮できる曲を選んだつもりです。

 「採茶撲蝶」は福建の民間楽曲。技術的にそう難しくない(何たってポジション移動が無い♪)うえ、強弱や弓の使い方次第で変化がつけやすい曲でもあります。ただ元の楽譜通りだと曲の最後が消化不良な感じで終わるので、コンクール用に盛り上がって終わるように変えました。

 もう一曲の「好漢歌」は、ドラマ「水滸伝」の主題歌。原曲はとても豪快でカッコいいんですよね~。その豪快さを残しつつ、随所に入る滑音などの技巧でいかに味を出すかが問題でした。生徒たちのレベルだと、最初は味どころか不自然きわまりない演奏(笑)。でも時間をかけて一つ一つやっていくうち、少しずつそれっぽい味が出てきたかも?

 長弓の会のいいところは、グループレッスンなのでメンバー同士の仲が良いこと、そして音に勢いがあること。なので皆が集まった時の一体感、迫力には自信があります。実際、先日のフェスティバルの映像をみても、同じようなレベル、人数のグループに比べ、音量の大きさをはじめパワーではひけをとらないと思いますよ。
(フェスの映像、近日中にYou Tubeにアップする予定なので、またここにURLを張り付けておきますからご覧下さいね!)

 さていよいよ本番。コンクールなのでもちろん拍手なし、審査員の先生方も真剣な顔で採点されているので、お客さん相手のフェスティバルの時に比べて相当に緊張しますね。でもメンバーの皆が思ったより堂々と演奏してくれたので、伴奏担当の私も気持ちの上でずいぶん助けられました。

 「好漢歌」の最後、全員で床を踵で打ち、拳を振り上げて「ヘイ!!」と掛け声をあげる演出には、審査員の先生もちょっと笑って下さったような。手応えあり…かな? 実際、結果発表が終わった後で「面白かったよ!」と声を掛けて下さったのが嬉しかったです。


演奏が終わってやれやれ~な笑顔です
 
 今年の出場は35組。朝10時の開始から14時40分頃にやっと全組終了しました。自分たちの出番が終わってからは客席で他の出場者たちの演奏を聞いていましたが、玉石混交といった感じ…?

 レベルによって初級、中級などと分かれていますが、どの部に出場するかは自己選択なので、初級でも上手な人はとても上手だし、上級だからといってあれれ?な演奏もありました。それでも何人かは聞きごたえのある演奏でしたし、年々レベルも上がっているように感じます。

 そしていよいよ結果発表。長弓の会は銀賞獲得!!やった!!プラス、神戸華僑総会賞というのも併せて頂戴しました。入賞することが目標でしたが、予想を上回る結果にメンバー一同大喜び。


銀賞および神戸華僑総会賞
 
 この日の為に一所懸命練習し、その頑張りが認められたということが本当に嬉しく、メンバーも達成感を感じてくれたことと思います。…しかし皆さん、賞をとったからといって油断するのはいけませんよ~。「え~、銀賞とった割にはえらく下手じゃん」なんて言われないよう、賞に恥じないレベルを維持するのも大切なこと。

 そう、賞は終着点ではなく、始まりなのです。審査員の先生方から頂戴したのは「頑張ったご褒美」だけではなく「将来の活躍への期待」。これからもっともっと精進しなくては。


 
 弾撥発表会の予告 15.5.18

 ゴールデンウィークも終わり、まさに風薫る五月…といいたいところですが、早くも台風が発生するほどの暑さになりましたね。

 さらに暑さ真っ盛りの7月に行う発表会、時間や内容もほぼ決まりましたので、改めて告知させていただきますね。



 
♪百原中国楽器教室 弾撥組 第二回発表会≪百花奏鳴≫♪

 日時: 7月5日(日)13:00開演 入場無料
 
 会場: KOKO PLAZA 2階ホール エクスプレス・ココ
   (JR・地下鉄御堂筋線「新大阪駅」下車 JR東口より徒歩5分)

 2013年の第一回発表会から二年、同じ会場にて弾撥(撥弦)楽器ばかりによる発表会を開催します。基本はもちろん一人ひとりの独奏ですが、ほか全体大合奏あり、二重奏あり、弾撥アンサンブル東風1/fの演奏もあり、と様々なプログラムを用意しています。

 プログラムといえば、前回は初めてということもあって中国曲だけでなく西洋曲なども織り交ぜていました。が今回はオール中国曲プログラムでお送りする予定です。中国曲といってもほとんどがスタンダードナンバーで、中国音楽をされている方ならお馴染みのものばかりかも。

 中国曲でないのが交じっているのは東風1/fのみで、「遊撃隊歌」「埴生の宿」「大都会」を演奏します。先日のフェスティバルと同じ三曲ではありますが、またお遊びも入れた違うバージョンになっていますので、そちらもお楽しみいただければと思います。

 また前回同様、大三弦の方と大阮の方が友情出演して下さることになりました。加えて今回は柳琴や中阮だけでなく、月琴を始めたばかりの生徒さんも舞台に立ちます。
 
 琵琶や揚琴、古箏といった他の弾撥楽器に比べ、まだまだ知名度の低い(という枕詞はいつになれば消えるのだろう…)レアな楽器が一堂に会した(ちょっと大げさですかね)発表会。時間も二時間程度と短時間ですので、どうぞ13時の開演から聴きにいらして下さいね!


 第4回中国音楽フェスティバル 15.4.27



 
 4月25日(土)、クレオ大阪中央にて中国音楽フェスティバルが開催されました。

 二年に一度開かれるこのフェスティバルも四回目を迎え、今やすっかり関西の中国音楽関係者の間での定期イベントとして認知されたように感じます。この一大イベントへの出演のために早くから準備されている団体も多いのではないでしょうか。

 第1回から参加している、わが「弾撥アンサンブル・東風1/f」も、この日のために練習を重ねてきました。元々はこのフェスという演奏の場があったからこそ結成したという経緯もあり、そうでなければアンサンブル自体存在していなかったかも。そう、東風1/fは中国音楽フェスティバルによって生まれ、育てて頂いたグループなのです。

 そして前回から参戦している、名張の二胡グループ「長弓の会」では伴奏を担当しました。フェスでは二胡の団体が多く、下手をするとどこも似たり寄ったりの印象になってしまうので、「いかに差別化をはかるか」に毎回頭を悩ませています。

 12:15に開演、天翔楽団の演奏からスタートし、昆劇やフルス、古箏楽団ほかお馴染みの団体から初出演の団体までてんこ盛りのプログラム。このフェスでは自分達が演奏するだけでなく、他のグループの舞台を見るのが一番の楽しみ。いつもながら「どんな舞台を見せてくれるかな」とワクワクです。


弾撥アンサンブル・東風1/f(写真はOさん提供)
 
 さていよいよ東風1/fの出番がまわってきました。今回も規定時間をめいっぱい使って三曲演奏。今回はいつもの柳琴担当メンバーが出演できなくなったため、私が柳琴を担当し、低音は中阮メンバーの一人に大阮を弾いてもらうことに。

 まず一曲目は「遊撃隊歌」。1930年代の懐メロで、中国ではとてもポピュラーな曲です。2月の音声館コンサートでは、この曲の元になった「英国擲弾兵行進曲」とつなげて演奏しましたが、今回は同じく旋律の良く似た別の曲をドッキング。

 ぎこちない小芝居(笑)で始まり、途中から歌詞にひっかけて「♪じょうずにバイオリン弾いてみましょう~」を表現するために、「柳琴のバイオリン弾き」という大技(?)を試してみました。写真にも写ってますが小さいからわかるかな~(左端)

 二曲目は全編トレモロ奏法での「埴生の宿」。点の楽器というイメージの弾撥楽器ですが、トレモロで線や面の動きと和音の響きを前面に出せればと思いながら編曲しました。ちょっとマンドリンアンサンブルっぽくなっちゃいましたが、そこは個性的な柳琴の音色で中国色が出せたのではないかと。

 そして最後はクリスタルキングの「大都会」。高音と低音のツインボーカルを、柳琴と中阮のソロで表現してみました。伴奏の中阮&大阮パートも含め、ロックな雰囲気が出せたかな~

 YouTubeに映像をアップしていますので、ご覧ください♪
●『大都会』弾撥アンサンブル・東風1/f - YouTube


長弓の会
 
 長弓の会は三重県名張市の二胡グループで、私は講師として指導にあたっています。グループレッスンという形態のせいかメンバー同士の結束力がとても強く、ここぞという時に底力を発揮してくれます。そんな彼らの長所を生かせる三曲を選び、舞台に臨みました。

 一曲目の「ジングルベル」では全員が右手に鈴を持ったまま演奏するという技に挑戦。チアリーディング風な動きも取り入れて、にぎやかに、そしてリズミカルな雰囲気を演出しました。和気あいあいなノリノリ感が伝わったかなと思っています。

 二曲目は「翼をください」。前半と後半の静と動の対比、そしてハーモニーの美しさを強調してみました。この曲はみんなよく知っているので、特に指導しなくても強弱など歌う感じが自然に出ているんですよね~

 最後は「好漢歌」。これは「水滸伝」のTVドラマの主題歌で、中国らしい勇壮で豪気あふれる曲です。日本人は美しく滑らかな旋律がお好きなので、他の二胡教室ではまず絶対にやらないだろうな~と敢えて珍しい曲を選びました。二胡ならではの表現力も向上してもらいたかったですし。

 普段は中阮で伴奏にまわりますが、この「好漢歌」では打楽器で。以前に新疆ウイグルで買った手鼓を、本来なら手で打つところをスティックで叩き、太鼓らしい響きで伴奏しました。が、これって全身を使って動くため、けっこうハードな運動量…練習の度に息も絶え絶え(笑)

 それでも曲の最後、全員で床を踏み鳴らして「ヘイ!」と掛け声をあげた時に、観客席からどよめきの反応が感じられ…たような気がします。技術的にはまだまだな私達ですが、気迫だけでも伝わったかな、と客席の反応はすごく嬉しかったですね。

 胡琴アンサンブル「Xeno Quartet +」で終幕を迎えたフェスティバル、今回も沢山の団体が様々な趣向で観客を楽しませてくれました。回を重ねるごとに少しずつ「自分達の演奏を聞いてもらう」ではなく「観客に楽しんでもらう」方向へとシフトしているように感じます。

 関西人の「目立ってナンボ」的なサービス精神が存分に生かされた演出(ダースベイダーの来臨はさすがに面白かった!!)あり、派手なパフォーマンスはなくても非常に丁寧な美しい演奏で目立っていたグループあり。

 大切なのは、自分達の特色をしっかり把握して、それをいかに効果的にアピールできるかだと思います。もちろん「弾ける曲を楽しんで弾く」のが基本でしょうが、どれも同じ味ではじきに食べ飽きてしまいますものね。

 それにしても今回は関東からの参加や、上海にマレーシアにシンガポールといった海外からの参加ありと、だんだん範囲が広がってきましたね。関西だけにとどまらず、そのうち世界をまたがるフェスティバルに成長…なんてことになれば運営が大変でしょうが(笑)

 あらためて、フェスティバルを支えて下さるスタッフの皆さま、毎度ながらの心配りに感謝です。お蔭さまで気持ちよく演奏することができました。参加団体の皆さまも含め、本当にお疲れさまでした&有難うございました!! 二年後もぜひ~

 
 東風1/f ファーストコンサート 15.2.2



 
 2月1日(日)、奈良市音声館のエントランスにて、弾撥アンサンブル・東風1/fの初コンサートを行いました。

 東風1/fは、阮と柳琴のみで構成されたアンサンブルです。今まで中国音楽フェスティバルなど短時間のステージは何度か経験しているものの、30分以上の独立したコンサートは今回が初めて。

 今まで演奏したレパートリーを見直し、新曲も追加して臨みました。プログラムは次の通り。

 1.金蛇狂舞
 2.美麗的梭羅河(ブンガワン・ソロ)
 3.遊撃隊歌~英国擲弾兵行進曲
 4.また君に恋してる
 5.ムーン・リバー
 6.三六
 7.大都会

 当日は晴れているものの気温が低く、また奈良というだけで遠いと敬遠する方も多いので、お客さん来るだろうか…?と心配しましたが、開演前に客席を覗いてびっくり!!満席なうえ、二階のフリースペースまで開放していただくほど大勢の方々が詰めかけて下さいました。

 演奏のほうは…色々と反省点や今後の課題も残しつつも、練習の時よりはるかに上手くいったところも多く、メンバーの集中力以前より増しているように感じました。今までの舞台経験の積み重ねのたまものでしょうか。この調子で少しずつではあってもアンサンブルとして成長していければ。

 司会を快く引き受けてくれたり、途中の小芝居にも一役かってくれたりと、メンバーの皆のおかげで盛り上がり(?)、楽しい雰囲気が演出できたと思っています。会場が奈良ということもあり、私も正倉院関連で阮のご先祖である阮咸(げんかん)の歴史を大いに語ることができましたし(超ロングトークになってお子ちゃま達にはキツかったようですが…笑)。

 会場である奈良市音声館は、「歌声による人づくり、街づくりを目指し、奈良県内に伝わる“わらべうた”の保存・普及を中心に、様々な活動を企画・運営」されているそうで、今回のコンサートも館主催の「やわらぎコンサート」の出演者募集に応じたものです。

 舞台のあるエントランスは二階までの吹き抜けで、音がとてもよく響きます。出演にあたっては職員の皆さんが色々と細かい配慮を下さって、メンバー一同気持ちよくコンサートを終える事が出来ました。

 ご来場いただいた皆さま、きちんとご挨拶できなかった皆さま、そして音声館の職員の皆さまに、この場を借りて改めて御礼申し上げます。

 本当に有難うございました!!

 
 コンサート告知など 15.1.6

 明けましておめでとうございます。

 毎年お正月になると「モモ日記、今年はマメに更新しよう」と決意を新たにするのですが、結果は…(笑)

 懲りずに今年も「頑張ります!」と掛け声だけは…いえいえ、掛け声だけでは終わらせません。これからコンサートにフェスティバル、発表会とイベントが続くんですから。

 まずは来月のコンサートのお知らせから。



 
♪奈良音声館やわらぎコンサート♪

 「ならまち」にある奈良音声(おんじょう)館にて、弾撥アンサンブル・東風1/fのコンサートを行います。

 東風1/fは、阮と柳琴のみで構成されたアンサンブル。今までフェスティバルなどに参加しての演奏はあっても、東風1/fとして独立したコンサートは今回が初めてです。

 本国である中国においても、まだまだマイナーな楽器である阮と柳琴。特に阮は、それぞれが強烈な個性を持つ中国民族楽器の中では珍しく主張が弱めの、おとなしい音色です。

 でも、だからこそ他の中国楽器よりもハーモニーが美しく調和しますから、中国以外でも阮ばかりで構成された楽団が増えつつあるのもうなづけますね。そこにキラキラした音色の柳琴が散りばめられることで、華やかさが加わった編成となっています。同じ撥弦楽器であるギター&マンドリンともまた違った、中国らしい響きを感じて頂けたらと思います。

 1時間足らずのミニコンサートですが、中国曲のほか「ムーン・リバー」や「ブンガワン・ソロ」など耳馴染みのある曲もとりまぜて、中国音楽を知らない方にも楽しんでいただけるプログラムをご用意しました。

 ならまち界隈も町家など昔の風情があって良いところ。近くにからくりおもちゃ館などもありますし、散策を兼ねて是非いらして下さいね。鹿たちもきっと首を長くして鹿せんべいを待っていますよ!!

 日時: 2月1日(日)14時開演 入場無料
 会場: 奈良音声館 奈良県奈良市鳴川町32-1 tel: 0742-27-7700
   (近鉄・JR奈良駅より徒歩約15分)



 
♪第4回中国音楽フェスティバル♪

 2年に一度の中音フェス、早いものでもう4回目になるんですね。今回も海外からの参加もあるそうで、自分たちの出演のみならず他グループの演奏が聴けるのも参加する楽しみの一つです。

 我が東風1/fは、もともと2009年の第1回フェスに参加する為に結成したものでした。以来、毎回参加の場を頂くおかげで少しずつでも成長できたのではないかと思っています。

 今年も東風1/f、そして名張の二胡サークル「長弓の会」で参加する予定です。長弓の会の舞台では、前回のグラス叩きに続いて今回も小道具使いでアピールしますので、どうぞご期待下さい♪

 日時:4月25日(土)13時開演(変更になる場合あり)
 会場:クレオ大阪中央(地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽丘」駅より徒歩4分)

♪百原中国楽器教室 弾撥組 第二回発表会≪百花奏鳴≫♪

 第一回の発表会では、お蔭さまで多数のお客様にご来場いただき有難うございました。第二回も頑張って準備中ですので、ご予定を空けておいて下さいね!!

 日時: 7月5日(日)昼~(時間未定) もちろん入場無料
 会場: KOKO PLAZA 2階ホール エクスプレス・ココ
   (JR・地下鉄御堂筋線「新大阪駅」下車 JR東口より徒歩5分)

 
 第5回長弓の会発表会 14.7.8

 7月6日(日)は名張で教えている二胡の「長弓の会」の、二年に一度の発表会。

 前回より一般公開をしていまして、ご来場の皆さまに日頃の成果を観ていただきました。


長弓の会の皆さん
 
 前回は初めての公開発表会ということもあり、グループ発表に大合奏、そして各人ソロ演奏と盛り沢山すぎて、相当に時間が長く観客の皆さままでが少々お疲れ気味。なのでソロ演奏は別の機会に設けることとし、今回は合奏をメインに。

 まずは大合奏で幕開け。これは生徒の皆さんに大きな音で演奏してもらい、それでなくても人前に立って緊張でガチガチになっている気持ちと身体をほぐしてもらう目的もあります。実を言うと極度に緊張するタチである私自身が一番助かってたりして(笑)

 続いてクラス発表。グループレッスン制である長弓の会には現在三つのクラスがあり、各クラスそれぞれに与えられた20分という持ち時間内で、選曲、演出、構成など全て自分たちで考えたものを発表します。

 この「自分たちで考えた」というところが大事。初めて間もない頃は、選曲も「とりあえず弾けそうなもの、楽譜や伴奏音源があるもの」に限られていましたが、伴奏音源をMIDIで作成したり、打楽器やピアニカなど他の楽器を入れたりと、年を追うごとにバリエーション豊かになっています。

 また七夕にひっかけ短冊を振ってみたり、ディズニー曲ではミッキーよろしく耳にアクセントをつけた衣装で登場したり。演奏だけでなく視覚効果も取り入れた「観客に楽しんでもらう」ことをかなり意識するようになりました。

 レッスン中ちょっとアドバイスしただけで見違えるほど良くなる演奏に、どんどん生徒達の実力が上がっているのを感じ、老師としては嬉しい限りです。クラスごとの結束力も気持ちいいですし。

 で、老師の中阮演奏のほうはといえば…最初は大丈夫だったのに、途中から緊張が増してきて少々情けない演奏に…ああぁ。技術面の他にもまだまだ精神面の修業が足りないようです。もっともっと精進しないといかんね私。

 最後は大合奏を三曲。ちょっと季節外れの「ジングルベル」は小道具を効かせて楽しい演出で、「翼をください」ではハーモニーの美しさと厚みが出るように。最後の「好漢歌」は水滸伝の主題歌ですが、伴奏も中阮から打楽器に持ち替えて勇壮さを強調しました。

 イベントというのは大変なエネルギーを消耗しますから、わざわざしんどい思いをして発表会などせずマイペースに過ごすのが一番楽ではあります。でも二年に一度でもこうやって開催することで目的意識を持ち、大きく成長をとげる生徒達を見ると、疲れるけれどやはり開いて良かったなと思います。

 さあ、来年は来年で弾撥楽器グループの発表会。すでに日程は7/5(日)、会場は前回と同じく新大阪ココプラザと決定していますので、皆さま予定を開けておいて下さいね!!

 
 ≪百花繚乱≫弾撥組 第一回発表会 13.7.10


全員による大合奏
     
 七夕の日、新大阪のKOKOプラザにて、初めての弾撥発表会を行いました。

 まず一曲目は、全員による「金蛇狂舞」大合奏。この曲はフェスティバルやコンクールでも何度か演奏していますが、今回は初級の皆さんも弾けるよう、速度はゆっくり。でも打楽器風に面板を叩くアレンジはそのままで、カッコよく決まった・・・かな?

 前半は生徒の皆さんによる独奏や二重奏がずらっと続きます。二月に始めたばかりの方もしっかりと演奏して下さったし、皆さん日頃の練習の成果を存分に(?)発揮していたようです。

 休憩を挟んだ後半は、友情出演としてお招きした大阮奏者の方と私で中・大阮の二重奏「彩雲追月」、そして同じく友情出演下さった大三弦の方による河南板頭曲「陳杏元和番」の独奏。

 こちらは北京で大三弦を学んでおられる萩原有里さんという方で、以前このモモ日記を読んで連絡を下さり、以来ずっとメールでやり取りを続けていました。ちょうど夏休みなので発表会の話をしたところ、出演を快諾していただきました。

 大三弦という楽器は、日本では実物を見たり生の音を聞いたりする機会もなかなか無いうえ、津軽三味線までご持参下さって比較などの解説もされたので、お客さんには喜んで頂けたのではないでしょうか。

ちなみにこの萩原さん、ブログもされていますのでそちらもご覧になってみて下さいね。

 「游鯉の芸術系航海日誌 http://arts.legalio.com/ 」

 いちおう講師による中阮独奏などもさせてもらいました。萩原さんの演奏された曲の姉妹曲である「陳杏元落院」を、古箏の演奏譜から中阮譜に起こす、なんてことにも初挑戦。プラス新疆の旋律の独奏曲「幽遠的歌声」を。

 まあ、いつもの如くなかなか練習通りには弾けないものです。「幽遠的歌声」は私の技術では弾きこなすのにまだまだ無理のある曲。ならば分相応に簡単な曲を演奏すればいいものを、それでもちょい難し曲に挑戦するのには、理由があります。

 二胡や琵琶、古箏といったメジャーな楽器ならば、まともな演奏を耳にする機会がありますから、楽器や楽曲の素晴らしさを知ることができます。ところが柳琴や阮だと日本に専門の奏者がおらず、他の楽器の奏者が「ついでに」演奏、という扱いしかされません。

 当然ながらそんなレベルの演奏だと、知らない人が聞いたら「ふーん、この楽器ってせいぜいこんな程度の楽器なんだな」と思われるのがオチ。実際、中国の民族楽器を紹介している日本のサイトでも、柳琴や阮をバカにしているとしか思えない、低レベルな内容です。世間的に難しいと思われている琵琶と同じだけの技術も独奏曲も、柳琴や阮にはちゃんとあるのに。

 だから少々無理してでも、「私だとイマイチだけれど、本物の奏者はもっとすごいんだぞ」と楽器や楽曲の魅力をアピールできるきっかけを作りたいのです。認知度を上げて、もっともっと正しい姿を知ってもらうために。今回発表会を開いたのには、そんな狙いもあります。

 そして最後のプログラム、東風1/fによるアンサンブルに至るまで、他の楽器による伴奏も一切無く(そう、管楽器や二胡などの線の楽器と違って伴奏など不要なのです!)、柳琴と阮(もちろん大三弦も)という、超レア楽器オンリーでお届けしました。

 思えば私が上海に留学したのが2001年の夏。それから12年経って、やっと生徒が10人を越え、こうやって発表会を開けるほどになりました。

 しかし日本はおろか本場の中国でさえ一般人知名度の低い楽器たち。他のメジャー楽器の助けも無い発表会なんて開いても、一体誰が聴きに来てくれるんだろ?・・・などという心配をよそに、お忙しいはずの友人知人の皆さんも駆けつけて下さって、後半からは客席がほぼ埋まるほどに。

 終演後バタバタしていて、猛暑の中ご来場くださったお客様には挨拶もできず、大変失礼しました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。本当に有難うございました。

 また、スタッフを雇うほどの経済的余裕も無かったため、舞台設置やアナウンス等すべて生徒の皆さんが担当してくれました。ご自身の出演もあって大変だったはずですが、お蔭で予定時間より早く終了し、余裕で片付けが出来ました。お疲れさま!!

 そうそう、打ち上げの為に予約していた店に入ると、発表会を見に来てくれていた音楽仲間たちに遭遇。私が今こうやって中国音楽を続けているのも、この音楽仲間がいてくれたからこそだな、と改めて感じました。いつかまた、みんなで一緒にやりたいな。

 弾撥発表会、毎年だと無理がありますから、二年に一度やっていきたいと考えています。どうぞ皆さま、二年かけてバリエーション豊かなプログラムを準備しますので、再来年も是非お越しくださいね!!


     

 
 来月の弾撥発表会に向けて 13.6.10


 来月七夕の日に、初めての弾撥発表会を行います。今はその準備に大忙し。

 今や日本にすっかり定着した感のある、中国民族楽器。二胡だけでなく、笛子や古箏、琵琶に揚琴と、だんだんと教室も増えてきました。

 しかし柳琴や阮については、日本では相変わらず認知されていないなと感じます。日本ではちゃんとした演奏ができる専門の奏者がいないからというのも、広まらない原因なんでしょうか。

 それでも、少しずつではありますが愛好者が増え、私の教室でも発表会が開けるくらいの人数になりました。もちろん、他の楽器教室に比べれば、本当にわずかな人数ではありますが。

 でも、日本人講師による、全員日本人の柳琴&阮オンリーの発表会というのは、きっと日本初ではないかと思います!!

 人数が少ない分、発表会では生徒各人の独奏のほか、二重奏や大合奏、そして弾撥アンサンブル・東風1/fの演奏をとりまぜ、曲目も中国曲から西洋曲まで、バラエティ豊かにお送りする予定です。

 さらに友情出演として、大三弦と大阮の奏者がご参加くださり、それぞれにソロを演奏して頂けることとなりました。特に大三弦は現在北京で学んでおられる日本の方で、楽器の説明など詳しくご紹介下さるとのことです。津軽三味線も学んでおられる方なので、大三弦との比較をまじえ解説していただけるそうで、これを聞き逃す手はないですよ!!

 いちおう講師演奏もありまして・・・。大三弦の方が演奏される河南板頭曲の、姉妹曲を中阮に移植して演奏してみようかと考えています。ほか、中阮らしい独奏曲なども。

 発表会といえば半日や一日がかりで延々と退屈な時間が続くような印象がありますが(失礼ですが実際そう思いません?)、人数も少ないので、12時半の開演、15時前には終演予定です。

 入場無料ですし、どうぞお気軽にお越しくださいね。


     

 ♪♪百原中国楽器教室 弾撥組 第一回発表会≪百花繚乱≫♪♪

 日時: 2013年7月7日(日) 12:30開演
 会場: KOKO PLAZA 2階ホール エクスプレス・ココ
   (JR・地下鉄御堂筋線「新大阪駅」下車 JR東口より徒歩5分)

 
 第三回中国音楽フェスティバル 13.4.24


 4月22日、クレオ大阪中央にて第三回中国音楽フェスティバルが開催されました。

 今回は二年ぶりの開催で、31団体約400人という過去最大の参加人数でした。また関西の団体だけでなく九州の方々や、なんとマレーシアからの参加も!!

 わが弾撥アンサンブル・東風1/f(エフぶんのいち)も毎回出場していますが、今年は私が名張で教えている二胡グループ、長弓の会も初参戦させていただきました。

 当初の開演時間を30分繰り上げ、13時ちょうどにスタート。天翔楽団の「金蛇狂舞」でにぎやかに開幕です。以降二胡のグループが大半ではありますが、中にはフルス(ひょうたん笛)あり、昆劇あり、江南絲竹あり、とバラエティに富んでいます。

 古箏のみの合奏グループの次は、いよいよ東風1/fの出番。今年も三曲演奏しました。


弾撥アンサンブル・東風1/f(Oさん提供)
     

 まず一曲目は「その男ゾルバ」。ギリシャが舞台になった同名の映画の曲で、ラストのダンスシーンに使われた音楽です。原曲のようなスピード感はレベル的にちょっと無理がありますが、身体をフルに使って打楽器的表現を試みました。私も左踵でリズムを刻みながら右足で床を踏み鳴らし、手はベースパートを演奏、といった具合。

 二曲目は「ムーンリバー」。ヘプバーンの映画でお馴染みの名曲ですね。私は編曲する際、いつもメンバー(自分の生徒なので・・)にレベル向上の為の課題を組み込んでいます。

 今回メロディパートへは「トレモロの滑らかさと強弱の波」、伴奏パートへは「和音の素早く正確な転換と指使いの工夫」が課題でした。

 三曲目は「三六」。江南絲竹の名曲で、弾撥楽器バージョンもよく知られています。本当はかなり速い曲ですが、ちょいゆっくり目に演奏。弾撥版は強弱の落差と刻みの小気味良さが非常に爽快で、そんな感じを出せればと思いました。

 結果は・・・まあ、色々ありましたが(笑)、毎回出場する度に上達しているな、と観客の皆さんに感じてもらえれば嬉しいです。今回の問題点は、7月7日の発表会でリベンジできることを願って!!

 さていよいよマレーシアの、ペナン州日新国民型中学華楽団の総勢25名の中高生による演奏。予想通り、さすが!という感じです。もちろん一人一人の演奏をよくよく聴いていると完璧ではないですが、何よりまとまりがあります。

 不思議なのは、彼らの発した音がいつまでも消えず、ずっと床上数十センチくらいで滞空している事。座席の配置も関係しているでしょうが、一人一人の音量が大きいのは当然ながら、質的にとても豊かなのでしょうね。いくら大人数でも日本のグループには達しえない境地だと思います。

 プログラムも残り三分の一、長弓の会の出番がやってきました。曲は「採茶撲蝶」「見上げてごらん夜の星を」「主よ人の望みの喜びよ」の三曲。中国、日本、西洋それぞれ一曲ずつでバランスを取ってみました。


長弓の会
     

 最初の二曲は私が中阮で伴奏。長弓の会での演奏の際は、いつもこの組み合わせです。中阮は揚琴並みに中国曲にも西洋曲にも合いますし、持ち運びにも便利で、独奏にも伴奏にも使えるオールマイティな楽器なのに、どうしてみんな活用しないのかなあ・・・。「阮の地位向上委員会」会長としては強烈にアピールしたいです。

 最後の「主よ~」はバッハの名曲。コーラスのハーモニーが美しいこの曲、どうせならアカペラのように伴奏なしで二胡だけで、と思い四重奏に仕立てました。私はワイングラスを(スプーンで!)叩いての指揮。演奏前に少しコントもどきを入れてみましたが如何だったでしょうか。

 本当に沢山の団体が参加され、色んな演奏を聴かせて(見せて)下さいました。私にとってはこのフェス、「日本(特に関西)における中国音楽見本市」という位置づけになっていまして、各団体の演奏を見ることでものすごく勉強できる場でもあります。中には他の団体の演奏を見ずに途中で帰られる方もいらっしゃって、なんて勿体ないんだろう、と思ってしまいます。ご都合もあるでしょうが、できるだけ最後まで見て帰るのが礼儀というものでは?

 なのでトリを飾った鳴尾弦楽団を見ずに帰られた皆さん、本当に惜しいことをしましたね~。「レ・ミゼラブル」の本物さながらに凝った衣装に「Purple Haze」のノリ、この熱演を体験できなかったとは残念ですよ。

 年々演出がエスカレートしていく気もしますが、言い換えれば見せ方を工夫しようと意識するグループが増えたということでしょう。今回も端正な演奏をされている団体は多かったですが、それがいくつも続けば正直言って退屈です。演奏が抜きんでて上手いというのでなければ、選曲なり演出で差別化をはかる必要があるのでは。

 そういう意味では演奏よし演出よし、の「Xeno Quartet +」の舞台はピカイチでしたね。まあ彼らはプロ集団なので演奏は良くて当然でしょうが、選曲を含め観客に圧倒的に強い印象を残したことは間違いありません。こういうのを見てしまうと、自分も頑張らにゃ!という気になりますね。

 13時の開演から奇跡的にほとんど延長もなく、6時間半余りの長時間にわたるフェスティバルも終了。見ているだけでも足腰が痛くなったのですから、フェスを支えるスタッフの方々のご苦労は相当のものだったでしょう。スタッフの方々のおかげで我々参加者も気持ちよく演奏ができるのであり、毎度のことながら感謝感謝です。

 二年後の開催(・・・ありますよね?)に向け、いまから準備をはじめなくちゃ!!

 終了後、何人かの方々から「ワイングラス叩いておられた方ですよね?」とお声をかけて頂きました。むむむ、そっちか~できれば「中阮を弾いてた方」と認識してもらいたかったところですが・・・もっともっと阮のことをアピールしてやらなきゃ、と思いました。

 
 長弓の会二胡教室第4回発表会 12.7.4

 


    
 
 三重県名張市の二胡教室「長弓(ちょうきゅう)の会」に講師として招いていただいて、早いもので8年が経ちました。

 月二回のレッスンに、二年に一度の発表会。他にも折々の地元のイベントに出演したりなど、適度に忙しく活動しています。

 レッスンはグループなので、発表会といっても他の教室のように生徒のソロ演奏ではなく、三つあるクラスそれぞれ持ち時間内で自由に発表するという形式。毎回メンバー同士の強い結束力を感じさせる、聴きごたえのある演奏を披露してくれています。

 年月が経つにつれメンバーのレベルもどんどん上がって来た為、さらなる向上を期待して、今まで非公開だった発表会を今回から一般公開に。そして今まで学んできた事の応用として、各自ソロ演奏を課すことにしました。

 とはいうものの、先生もちょっと不安。クラス演奏や大合奏の曲は発表会直前になると驚くほど良くなりましたが、ソロは合奏よりさらに緊張しやすいですから・・・。

 さて発表会当日。雨天にもかかわらず70名近くのお客様が来場して下さり、予想外の多さに嬉しいやら、座席を増やすのにばたばたするやら。

 大合奏で幕を開け、すぐにソロ演奏。私も会場の一番後ろでハラハラしながら見守っていましたが、皆さん大きなミスもなく、練習で聴いたのとたいして変わらない位の演奏でした。案外本番に強いんですね!

 ソロの次はクラス演奏。各クラス衣装を揃えたり別の楽器を入れたりと選曲以外にも工夫を凝らし、20分の持ち時間を活かし前回の時よりグレードの高い内容になっています。

 続いては隠し芸(?)。二胡以外の特技を披露するコーナーです。ギターや古箏、オペラにアイリッシュハープまで、皆さんなかなか本格的。

 いちおう講師演奏もあったりして。といっても何故か中阮の演奏ですが(笑)。私としては二胡よりも聴く機会の少ない弾撥楽器をアピールしたいもので・・。

 今回は河南板頭曲に挑戦。プラスいつものウイグル曲を、時間の関係で不本意ながら二曲とも四割カットの短縮バージョンでお届けしました。

 ただ今回は一般公開というのもあり、まあ二胡教室なのに先生が二胡を弾かないのも何だかな、と思い一応二胡も演奏。丁度レッスンでやっている「歌と演奏の一致」というテーマにからめ、演歌なぞ弾いてみました。

 ラストは大合奏。「童神」「見上げてごらん夜の星を」とお客さんへのアピール用に容易な曲を演奏した後、最後はバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」の二胡四部合奏。頭の繰り返しは割愛しているものの、転調部分も全て含むフルバージョンです。

この曲は中阮伴奏なしで、私はグラスを打楽器がわりに叩きながら指揮を担当。が最後のヤマ場でつい熱くなりすぎ、途中でグラスが割れてしまうアクシデントも(泣)。

 13時開演から三時間半以上にわたる発表会でしたが、やはりこういった大きな目標に向かって突き進むというのは、本当に大事ですね。

 生徒の皆さんが一丸となって一所懸命ステージを作り上げる姿に、我が子の成長した姿を見るかのように感無量な先生でした。

 みんな、また2年後のネタを今から準備しておきましょうね♪


大合奏(写真は長弓の会Yさん提供)
    
 

 
 中国音楽コンクール・後編 12.6.11

 さて、本番。舞台では落ち着いて、笑って、呼吸を合わせて、大きく身体を動かす・・はずだったのですが。

 頭でいきなり誰か間違った! リズム、狂ってる! 焦って全体に速くなってる! 何より、みんな硬すぎるよ!! 呼吸と身体の動き、あれだけ時間をかけて練習したのに。

 ・・・あっと言う間の6分でした。ああ、もう入賞は無理だな。あっさり諦め、あとは他の出場者の演奏をゆっくり聴かせていただきました。

 中国音楽のコンクールといっても民族楽器ばかりでなく、歌にヴァイオリン、ピアノなども。年齢も下は6才から上は77才の方まで、熟年の部なんてのも設けられています。

 民族楽器ではやはり二胡が圧倒的多数。他は笛子にフルス、巴烏。弾撥楽器はうちのグループのみでした。少ない楽器は比較されにくいから、少しは有利かも。

 皆さんそれぞれに日頃の精進の結果を本番に・・なかなか活かせないんだろなあ、うちみたいに。舞台に立って演奏するということは、やはり容易ではないです。特に独奏は。

 ・・・ただ昨年も感じたのですが、声楽の人って外国の歌を歌う時、どうしてまず歌う言語の発音を勉強しないのだろう?カタカナで歌っているようにしか聞こえないのですが。音楽をやっている人なら、ニュアンスを聴きわけて真似する耳はあるでしょうに。

 全員の演奏が終わり、審査が済むまでひたすら待つのみ。この落ち着かない時間、やだなあ。

 そして審査員長の講評と共に、結果の発表。講評でのお話は大変参考になりました。リズムを揃える、その為にメトロノームを使って練習などという、ものすごく基本的な事すら出来ていない私達の演奏。ああ、情けない。

 お話の中でうちのグループについて特に触れて下さったのは嬉しかったけれど、お願いですから「柳琴と月琴」というのはやめて欲しかった・・・。これってギターとウクレレを混同するようなもの。申込む際に楽器構成を書く欄があったのですから、ちゃんと読んでいただきたいです。

 結果は、銀賞!!・・・うーん、もしかして銅賞に引っかかってくれれば良いな、と思っていましたがまさか銀賞とは!!おまけに兵庫県教育委員会賞というのも併せて頂戴しました。

 普段の合奏練習での一番いい状態ならまだしも、今日のあの演奏では銀賞のレベルにはとても及ばなかったはず。でももしかすると、弾撥合奏という日本では珍しいジャンルに対する将来性に期待しての賞かな、とも考え、有難く頂戴する事にしました。

 いつかはこの銀賞にふさわしい実力を身につけることができるよう、ますます精進していきたいと思います。



    
 
 その日は続いて入賞者記念演奏会が行われました。うちのグループ、事前練習せずに舞台に出て大丈夫かな・・・。予想通り、途中えらいこっちゃ状態でしたが、動きについては少し硬さがとれたのではないかと(苦笑)。

 演奏終了後、司会者の方(一応中国人)が紹介して下さる際、またまた「柳琴と月琴」とおっしゃって下さいました。えーかげんにせーよホンマにもう!!!!

 私の発する「違うっちゅーねん」オーラにヤバいと思われたらしく、あわててマイクを譲って下さった司会者さん。阮についてあまりにも少しですが語らせていただきました。ああ不憫な阮ちゃん。

 この8月には、中国音楽"国際"コンクールが行われるそうです。こちらは中国からもたくさん出場されるようで、期間は8月2日(木)から5日(日)まで、翌6日(月)は神戸文化ホールにて入賞者記念演奏会が開かれますので、興味がある方はぜひどうぞ。


 
 中国音楽コンクール・前編 12.6.5

 
6月3日、神戸元町の中華会館にて、国際音楽協会主催の第13回中国音楽コンクールが開催されました。

 思えば13年前の第1回、音楽仲間と臨時結成したアンサンブルで私も出場し、銀賞を頂いた・・・はずなのですが昔の話だからあまり覚えていません(笑)。

 2年前の中国音楽フェスティバルに参加するために、私と生徒達で構成された弾撥アンサンブル、東風1/f。

 今年はフェスティバルが開催されない為に当面の目標も無く、そして目標がないと怠けるのが人間という生き物です。結果、せっかく上がりかけたレベルが下がることに本人達は気がつかない。

 ということで、今まで以上に大きな目標を設定し、生徒達のお尻を引っ叩く事にしました。コンクールに出場して、柳琴や阮という楽器をアピールし、できることならば賞をかっさらってやろうではないか!!

 幸い二度のフェスティバル参加で演奏した曲が使えそう。演奏時間6分以内、中国の作曲家による中国音楽に限る、という規定もクリアできそうです。

 曲は「金蛇狂舞」と「採?菇的小姑娘」の二曲を用意。「金蛇」は簡単なので大きな音を出して緊張を和らげる役割です。曲中に楽器を打つ派手なパフォーマンスを入れ、サプライズ効果を狙いました。

 もう一曲、通称キノコ娘(笑)は馬聖龍の弾撥合奏用の編曲が素晴らしいので(とはいえ移調の他かなり変える必要ありましたが)。金蛇とは対照的で美しい旋律なのと、難易度はさほど高くないのに聞き映えのする曲です。

 ただ以前は速度もゆっくり目でしたが、規定時間に収めるため、テンポアップする必要がありました。今回から柳琴メンバーが一人入れ替わり、その新人さんは当時まだ柳琴を始めて1年ちょっと。大変だったと思いますが、ものすごく努力してついて来てくれました。

 音源による予選も無事通過し、本選当日。ぶっつけでは不安なので、近くのカラオケBOXにて練習中、アクシデント発生!!

 中阮メンバーの楽器の弦が、突然切れてしまいました。しかも一番よく使う、第一弦。その上、弦巻きにからみつき、はずれない! 大ピンチ!!

 カラオケBOXの受付でニッパーを借りて巻きついた弦を切断し、何とか事なきを得ましたが、もし本番直前だったら精神的にもとんでもない事になっていたでしょう。

 そしていよいよ、本番です。


    舞台にて
(Tさん提供)
 

 
 第2回中国音楽フェスティバル 11.4.18

 
ご無沙汰しております。前回の日記からちょうど1年、昨年の中音フェス直後に病気したこともあり(←大げさ。でも今だに病院通いが続いてるんですよ~)、だらだらと過ぎてしまった1年でした。深く反省。

 ♪参加することに意義がある♪

 さて中国音楽フェスティバル、私たち弾撥アンサンブル・東風1/fも昨年に続き参加させていただきました。うちのグループは特に演奏活動などやっているわけではないので、まさにこの中音フェスの為に練習をしているといってよいでしょう。

 昨年のフェスが初めての舞台だった私たち、今年は去年と同じ事をしていても意味がありませんから、少しハードルを高くすることにしました。すなわち、曲の難易度を上げたのです。

 中国で出版されているような合奏譜はそのままだと難易度が高すぎて、メンバーにはとても弾きこなすことはできません。多人数の楽団なら少々ごまかしもきくでしょう(キツいようですがプロ楽団でもそうですから)が、うちのグループはたった7人、つまり1人当たりの責任は1/7と重大です。

 ですから編曲も各人のレベルを考慮して行うことになります。元々アンサンブルを組織したのは、メンバーのレベル向上が目的でもありました。もちろん楽譜を完璧に弾くことが大前提ですが、曲の中で自分のパートがどういう役割を果たしているのか、その為にはどう弾けばよいのか。それを学ぶことにより、独奏曲を弾く際にも参考になると思うので・・・。

 昨年はリズムを揃え、とりあえずは強弱を出すだけで精一杯だったメンバーですが、今年の目標はまず音を綺麗につなげること、その為に指使いを工夫すること。しかるべきところで呼吸をし、動作を大きくすること。ほか演奏技巧についても昨年より難しいものを取り入れて編曲しました。

 演奏曲は昨年同様、3曲。

1.洋娃娃与小熊跳舞  ポーランド民謡
2.また君に恋してる  森正明 作曲
3.採磨菇的小姑娘   谷建芬 作曲(磨の字は、草カンムリ+磨)

 1曲目は直訳すると「人形と小熊のダンス」。日本でも「はたけのポルカ」というタイトルで近年紹介されたので、ご存知の方も多いかと思います。中阮奏者の魏育茹さんの教本に掲載されていたバージョンをベースに、合奏用に編曲しました。

 2曲目はおなじみビリー・バンバンの曲。坂本冬美さんが歌ってヒットしましたね。時間の関係で1コーラス半と短くしましたが、例えば冒頭でギター風アルペジオ(ギターなら簡単にできることも阮だと結構難しい)を入れたり、メロディーパートには歌うようにと要求したり。表現的にはこの曲が一番メンバーにとって難しかったかもしれません。

 3曲目の「きのこ採りの娘さん」は、古箏や琵琶など弾撥楽器ではよく演奏される曲です。中国楽器といえば二胡しか想像できない日本にあっては知名度が低い曲ですが、個人的にものすごく好きなので紹介したかったのであります。

 この「きのこ」は弾撥合奏のスコアを持っていまして、途中挿入される8分の6拍子の部分がまた美しいのですよ。弾きやすいように調や和音なども変えつつ、できるだけオリジナルの雰囲気をこわさずに手を加えたつもりです。柳琴パートは最後に高音部での16分音符が続いてハードですけどね。
 

本番の演奏です
    
  
 
♪いよいよ本番♪

 さて当日は小雨降る中、四天王寺のクレオ大阪中央へ。午前中は練習&舞台リハ、そして午後1時半には開演です。

 昨年は初回なのもあってかスタッフも出演者もバタバタでしたが、今年はリハも本番も結構スムーズに流れたのではないかと思います。いまいち勝手がわからずウロウロしていたら、ちゃんと誘導していただきましたし。それにしても毎度ながらスタッフの皆さんのご苦労には頭が下がりますね・・・。

 わが東風1/fの出番は8番目。出番が来るまでは時々客席の後ろやモニターで様子を見に行く程度で、ゆっくりじっくり聴けたわけではありませんでしたが、昨年と同じグループに関しては確実にレベルが上がっているのを感じました。昨年は正直いって内輪の発表会的な演奏が多く、二胡が続いたのもあり似たものばっかりで、聴いているのがツラいくらい退屈でした。

 今年は選曲にしろ見せ方にしろ、各グループがそれぞれ工夫をこらしていたように思います。まあ企画力でいうと「レッドクリフ」の演奏で旗振りパフォーマンスを披露した鳴尾弦楽団、目立ち度でいうと二胡アンサンブル・シャングリラのド派手衣装&バラマキ演出がそれぞれピカイチでしたが、それ以外のグループにおいても、観客から見られる&聴かせることを意識して演出されていたのではないでしょうか。

 最近アップル社のS.ジョブス氏のプレゼンに関する本を読みました(本屋さんすみません立ち読みです)。商品(=演奏)を魅力的に見せる(=聴かせる)為に、いかに人の意表をつくか。効果的にかつ自然に見えるよう、どれだけたくさんの時間を費やしてプレゼンの練習をするか。等々、あらためて、演奏というのはつまり観客に対するプレゼンなのだなと感じました。

 見方を変えれば、いくら商品(=演奏)が良くても、「うちは実力があるから」とただ普通に演奏しているだけでは面白みに欠けます。別に派手なパフォーマンスは必要ないですが、せっかく一人一人の実力はあるのに、もう少し熱気というか一体感が欲しいなあ、と思うグループもいくつか。逆に、演出には力を入れているのに音楽のレベルが伴っていないグループも本末転倒かとは思いますが・・・。

 で、うちのグループ。リハでは最悪でしたが、本番では頑張って持ちこたえてくれました。もちろん練習の成果が100%発揮できたわけではありませんが、大きな失敗はありませんでしたし、音もまあまあ出ていたんじゃないかと思いますし、うちのレベルからすれば上出来です。何より「柳琴や中阮って本当はこんな音が出るんだ」と認識してもらえたと自負しています。

 ・・と書くとものすごくメンバーのレベルが低いように感じるかもしれませんが、これは老師の要求が高いだけでありまして(笑)。中国ならともかく、大人の学習速度の著しく遅い日本において、2年ちょっとで「きのこ」を弾いた(まあ完璧とはいえないですが)生徒などは相当努力したはずです。他のメンバーも、厳しい(とは全然思わないけどな~)指導によくついてきてくれました。

 主催者より「来年からは隔年にしたい」とアナウンスがありました。確かにスタッフの皆さん大変だろうな~。でもフェスティバルあっての東風1/f、できれば1年に一度の発表の場として来年の開催をぜひともお願いしたいところです。


 
 中国音楽フェスティバル 10.4.19

 
皆さま大変ご無沙汰しております。前回の日記を途中で投げ出してから半年以上、大して忙しくもないくせに長い間サボってしまいました。

 しばらく書かないでいると、そのうち「恥ずかしくて今さら再開できないなあ」と思うようになり、今に至ってしまったのでした。申し訳ありません。(と、過去何度同じ事を繰り返していることか・・)

 心を入れ替え・・た訳でもありませんが、時々は思いついたことを書いていこうと思います。とりあえずは再開のきっかけに、中国音楽フェスティバルに参加したことについて。

 
♪中国音楽フェスティバル♪

 
「中国音楽を愛好する人々、グループ、団体が一堂に会して演奏を披露することで互いの交流と技術の向上をめざす」という趣旨のもと、ここオフィス・エーの中田さんをはじめとする実行委員会により、4月18日にクレオ大阪北にて開催された中国音楽フェスティバル。私もアンサンブルメンバーの一人として演奏に参加してまいりました。

 昨年秋にこのイベントの話を聞いた時、とても面白い試みだと感じ、できるものなら参加したいなと思ったものの、参加条件は三人以上のグループ編成。私は特に決まったグループに所属しているわけでもなし、知人を誘おうにも皆さんそれぞれの所属グループでの演奏に忙しいだろうし・・。

 私の教室ではほとんどが二胡の生徒ですが、もし彼らを参加させるにしても、他の団体もきっと二胡ばかりだろうから「その他大勢の一つ」として埋もれてしまうこと必至。そうならない為には、よっぽど個性的な事をやらないと。

 ということで、数人しかいない弾撥楽器の生徒たちでアンサンブルを組むことにしました。「こんな楽器があるんだよ、こんな楽しい音楽が奏でられるんだよ」と弾撥楽器、特にマイナーな楽器である柳琴や阮の魅力をアピールしたかったからです。メンバーは柳琴1人、中阮5人。・・・プラス大阮パートの私の、計7人。

 とりあえず参加を決めたとはいえ、私自身弾撥楽器のアンサンブルに関してノウハウもなければ、楽譜もない。メンバーの何人かは中国音楽オケで演奏経験があるものの、きちんと楽器の基礎を学び始めたのはつい最近のこと。柳琴に至ってはこの時点でまだ習い始めて1年未満。・・正直いって不安でした。

 昨年10月から月一回ペースでアンサンブル練習を開始し、試行錯誤を繰り返しながらも何とか曲らしきものになり始め、いよいよ本番を迎えることとなりました。

 当日は朝からリハ。スタッフの皆さん、忙しく立ち回っておられます。なにしろ23団体、延べ人数280人以上の参加者を順次まわしていくだけでも容易なことではありません。見るからに大変そうです。スタッフ兼出演者の方々もおられましたし。

 12時半の開演から17時(・・ちょい過ぎ)の終演までの間、オーソドックスな演奏から趣向をこらした演出まで、本当に盛りだくさんでした。グループそれぞれに個性があって楽しかったですね。

 私達は「弾撥アンサンブル・東風1/f(エフぶんのいち)」というグループ名で参加させていただきました。グループ名は各メンバーが案を出し合い、人が心地よく感じるという「1/fのゆらぎ」から取った名前に決定しました。

 演奏曲は「金蛇狂舞」(聶耳作曲)「馬車夫舞曲」(新疆民歌)「ブンガワン・ソロ」(マルトハルトノ作曲)の3曲。3曲目は中国の曲ではありませんが、日本だけでなく中国でも放送楽団などの演奏でよく知られた曲です。

 ずっと以前から「きっと弾撥で演奏したら綺麗だろうな」と思っていた曲でもあり、中国オケ版の彭修文の編曲からリズムだけを拝借し、編曲(・・初級ですからあくまで簡単に。)し直してみました。
 

私達のグループです(Kさん提供)
    
  
 
まあレベルがレベルですし、舞台慣れしていないこともあり完璧な演奏とまではいきませんでしたが、「弾撥楽器ってちょっと面白いかも」と皆さんに興味を持ってもらえたのではないかな、と自負しております。

 ほか、つたなくても一生懸命演奏されている様子に自分の昔の姿を重ねてみたり(・・いや、昔ではなく今の姿かも)、ベテランのグループの余裕しゃくしゃくの演奏に感じ入ったり。

 ただ全体に思ったのは、準備や工夫の有無によって各グループの明暗がわかれたこと。例えばベテランならメンバー一人一人は確実に上手い(・・はず)のに、アンサンブルとしての習熟度が高いとはいえないグループも見うけられました。

 一聴するとソツのない演奏なのですが、パワーというか一体感が不足していてバラバラに聴こえています。ベテランだとお互いの立場上、意見が出しにくいのかもしれませんが。中国でも最近そういう御座なりな舞台が増えていて、演奏者の技量は高いだけに勿体ない気がします。

 逆に演奏レベルはそれほど高くなくても、演出や他の方面でちょっとした工夫があると、それだけで拍手を送りたくなりますね。常に新しい事を仕掛け、向上心を持ち続けること。絶対に忘れてはいけないなと感じました。

 最後に、このようなとても有意義なイベントを企画・運営してくださった実行委員会のみなさま、本当にお疲れ様でした&有難うございまた!!今後もずっと開催されることを願っています。・・・実際スタッフのみなさんは大変でしょうけれど。

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