17年12月25日
2017年もあと少し。という常套句を使うのも恥ずかしいくらい1年はあっという間に過ぎていきますね(という感覚を持つのは年を取った証拠というらしいですが)。毎年同じ感想で振り返るようなことはしたくないのですが、結局は“こんなんでいいの”という状況がいつも生まれます。
で、その前に。TV等で喧伝されている映画「スターウォーズ」を見てきました。40年前に第1作が封切られたのを見ていますが、こういう映画が作れるのだ、と感心して見たのを覚えています。この第1作はエピソードとしては全9作(予定)中の第4作にあたるもので、それ以降5、6と続きさらに16年たってからエピソード1、2、3が制作されました。さらにその10年後にエピソード7が作られ新3部作として今年(17年に)エピソード8が封切られたわけです。
全く個人的な意見ですが大して面白くはなかったですね。ストーリーも“帝国に対するレジスタンス”となっていますが、宇宙空間に広がる人や事物に対する創造性も余りなく、戦闘場面もあれどこかで見たことがあるなあという既視感で一杯でした。敵の大戦艦に対してレジスタンス側の戦艦が特攻で破壊する場面などもありますが、あれ、こんな安易な戦闘場面でいいのかとも思いましたね。
世界中でこの映画の熱狂的なファンがいるとのことですが、考えてみれば「スターウォーズ」の名のごとくこれは戦争映画なんですね。つまり必ず惑星が破壊されたり、大きな戦闘場面があったりで、それこそ何万何十万という生命が失われているわけです。これが現代を舞台にしたならその数の死と流される血に対して恐怖を感じるところですが、観賞者はむしろ喜び興奮して拍手をします。絵空事だからいいじゃないかという意見もありそうですが、むしろその絵空事に入れ込み、現実世界に対する無関心が増えることがどうなのかと、筆者は感じます。
毎年この時期になると、次年度の政府予算案が出されるのですが、一般会計総額は97兆円を超えました。まあ新聞紙面では政府の広報誌のようにその内訳を掲載していますが、そもそも適正な支出が行われているのか、という検証は余りなされません。「人づくり革命」と打ち上げて保育所などの整備・改修に1231億円を計上していますが、実際の保育を担う保育士さんの育成や報酬増をどのように具体化するのかは不透明です。その一方で農道の整備や農地の大区画化を行う「土地改良事業」の予算は4350億円で民主党政権時代の12年度予算の2190億円に対して2000億円以上増えています。
土地改良事業の予算は本当に増額する必要があるのか(つまりばらまきの典型予算)とされるお金で、この2000億が本当に人づくりに使われるなら意味もありますが、結局は掛け声だけになるのでしょう。防衛費も増額増額で、政府寄りとされる読売新聞には「米国の『対外有償軍事援助』に基づく防衛装備の購入額が増えているのが特徴だ。米国が価格設定の主導権を持つため。購入額が膨らむ傾向にある」と書かれています。トランプ大統領は米国べったりの安倍首相に大いに感謝しているかもしれません。しかし日本国民にとっては迷惑なことです。
一方で「出国税」や「森林税」など増税はすんなりと決められ、生活保護費のうち食費や光熱費などに充てる「生活扶助」の給付水準を引き下げるなど、増税と格差拡大の傾向は続けられています。その他にも自らの生活に照らし合わせて何がおかしいのかという予算が(あるいは必要な部分に使われない予算が)いろいろあります。面倒くさくても少しでも関心をもってチェックすることも必要でしょう。
そんな2018年がどうなるか。今年1年、(もちろん大きな権力は持っていますが)例えばトランプ大統領というたった1人の人間の言動によって、大きく歴史が変わるかもしれないという現実に直面したことを考えると、社会の動静に無関心でいることは自分たちの生活が大きく揺るがされることにも異議を申し立てないということにもなります。目と耳をしっかりと社会に向けていきたいものです。
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