「阿炳が奔る―無錫争乱異聞―」
(あーぴんがはしる むしゃくそうらんいぶん)
中田勝美・著 (銀河書籍・発刊、1,600円)
中国音楽フェスティバル実行委員会事務局長の中田が、中国民族音楽史上「盲目の音楽師」として知られる阿炳(あーぴん)を主人公にした小説をこのたび自費出版しました。
ご存じのように阿炳(アーピン・1893年~1950年)は中国・長江下流、無錫の道教道観の息子として生まれました。30歳代半ばで失明しましたが、その卓越した笛、笙、嗩納、打楽器、二胡、琵琶などの楽器演奏能力は広く民衆に知られ、歴史の中に名を残しています。失明後は貧困生活を送りながらも、街頭での演奏と庶民を圧迫する権力への批判を唱った時事批評語りを続けていました。
本書ではそんな阿炳を主人公として、1930年前後に彼が遭遇する事柄を通じて、無錫と上海に生きる庶民の生活と共に、共産党と国民政府との争闘、青帮マフィアの暗闘など、当時の中国社会で起きる事件を描写します。
阿炳と歴史的人物以外の登場人物は全て著者の創造ですが、彼らが活動する歴史的背景や社会問題などはできる限り正確を期すよう努めました。
日本人が作り出した新たな阿炳像、という目標が達成できていればいいのですが。
書籍は四六版、ハードカバーで、369ページ。定価は1600円(税込み)となっています。
ネット販売のアマゾンで購入できます(検索は、漢字の「阿炳」「阿炳が奔る」でお願いします)。是非検索をお願いします。
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